2023_0220のMainTopics
#214 Substack
そういえば、ぶち燃えてからメルマガを書いていませんでしたので久しぶりに更新します。
え、燃えてたの?という方は2chにもまとめられているのでこちらご参照ください。おかげで本は割と売れているみたいです。Twitterでは様々なご指摘を頂いているので、早く取りまとめてWeb3.0の教科書ver2.0を早く出さないとなぁと思っております。
前回記事:CoinGeckoレポート仮想通貨市場2022から市場を理解する
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本日のメイントピック
先日、高校生の@yukiさんに誘われて、Twitterスペースで書籍の内容やWeb3.0ってなんなん?てきな勉強会をやらせていただきました。(とはいえ、予定していた日程を一度すっぽかしたので、入りは謝罪から入っている点ご留意ください、やらかしました。
アーカイブもありますので、Web3.0とか言ってる怪しいおじさんが純真無垢な高校生をなんやかんや言いくるめる様子をお楽しみください。
結構いろいろ話したので、その中で大事だよなーと思うことについて書きます。
NFT活用を考える上で重要な前提知識
NFTって調べると、NFTはマーケティングやコミュニティ運営 = Discordが必要!みたいな情報や発言が多いじゃないですか。
もちろん、NFTをビジネスとし継続的に収益を上げていくのであれば、それらの要素はとても重要なのですが、それよりも前に重要なことってあると思うんですよ。
ってことで、Twitterスペースでは自分が大事だと思っている点を3つ説明しました。
大事なことは2回説明するのが定番なので、スペースの音声だけでなく、久しぶりにメルマガにも書くかぁということで筆を取っております。
1. Flex
このメルマガでは何度か紹介していますが、1つめは「Flex」です。二度目まして以降の方は少しお付き合いください。
Flexとは
「Flex(フレックス)」は「見せびらかす、格好つける、自慢する」という意味を持つスラングです。元は「筋肉を見せびらかす」といった意味でしたが、「今日は高い服でFlex(=キメてきた)だから、見てくれよ」という時に、使ったりします。
NFTは「Flexな気分にさせてくれるモノ」として広く普及し始めた背景があります。
これまで、個人「所有」することでFlexできたものとしては高級時計やかっこいいスニーカー、イケてるファッションブランド、などでしたが、このコロナ禍によって急速にリアル空間のコミュニケーションが減少した結果、「Flexする機会」が失われつつあります。
Flexなモノは「そのモノがFlexであると感じる人間の数」が価値です。つまり、コミュニティが価値の源泉とも言えます。1万円の札束を持っていて「すごい」と思うのは、その1万円札に価値があると感じる日本人コミュニティに所属しているからです。
もし、そのコミュニティが縮小し「そのモノ」に価値があると信じる人間の数が減少したとすると価値は減衰していき、朽ちた神社や地方の廃墟などへ変貌していきます。
NFTはこれまでリアルでのコミュニケーションでしか感じることができなかった「Flexな気持ち」をデジタル上でも体験させてくれるものとして爆発的に広がりました。
Flexの事例
人間はとても社会的な生き物です。人間はムダなものにお金を払うことで社会的地位を満たそうとする性質を持ちます。
例えば、アイドルオタクと呼ばれる熱狂的なファン達は、推しの缶バッジを自分のバッグや服にたくさんつけた自作の応援グッズを作っていることがあります。これは「好き」という気持ち以外に「金銭的に余裕がある」ことを周りに見せつけることで、他のファンとの「差分」を出そうとする行為です。
人間は自らの承認欲求を満たすために一見無駄に見える不合理な行動を取ることがあります。高額なNFTが売れ続ける理由はここにあります。
人間は本能的に他人との差分を他者にアピールしたいものなので、その「差分」をデジタル上で証明できるNFTはFlexの概念にドンピシャでハマるのです。
NFTはこの「差分」を第三者から見ても明らかな状態で証明することができるため、熱狂的なファンはその「差分」を表現するためのお金に出し惜しみません。この時にほしいと思うファンが二人以上いれば価格は青天井です。
価格が高ければ良いという話ではありませんが、NFTは他者との差分を表現する用途に向いており、人間が他人との【差分】表現したいポイントにNFTを配置するとFlexな価値の高いNFTができるということです。
NFTの企画や設計を行う際に、NFT販売を単純なデジタルデータ販売と捉えるのではなく、購入者が得られるFlexな体験までを設計し価値付けをしっかり考えていく必要があるのです。
Flexを生み出す方法
Flexを生む方法についても過去に考察しており、2021年8月だけで約2,000ETH分取引された「EtherRocks」という岩の画像をNFT化したCryptoArtを例として、差分を表現するFlexなNFTには3つの条件を説明しています
興味があればこちらからご覧ください。
2. RetroActive(レトロアクティブ)
RetroActiveとは
過去の活動や貢献した実績をレトロアクティブと言います。
Retro = 過去の、Active = 行動ってことです。「鉄道ファンである」事実をブロックチェーン上に記録し、コミュニティ内で差分を表現するためには重要な概念となります。
Web3.0ネイティブなSNSは匿名です。自分から身分を明かさない限りは現実世界の社会的ステータスを持ち込むことはできず、Web3.0界での社会的ステータスはブロックチェーン上に記録された過去のデータのみから判断されます。
その人のレトロアクティブを見れば、金に物を言わせて高いNFTを買い漁っているだけのミーハーなのか、価値の高いNFTを見極めることができるイノベーターなのかを見極めることができます。
金額の高さ以外にも、寄付を行っているかどうかという判断指標もあります。Web3.0はトークンによる経済圏を持つので、BitcoinやEthereumのように早くからコミュニティに参加することでCryptoリッチになっていきます。
Cryptoリッチになった人間が、自分のためだけでなくWeb3.0の次を作るためのOSSプロジェクトに寄付することは自然なことです。多額、かつ、多数の寄付を行っている匿名だけど「徳」の高い人であることがレトロアクティブから推測することができます。
現在の高額なNFTを見せびらかすだけの成金ムーブが蔓延するWeb3.0ではなく、オンチェーン上に「徳」を積んでおくといつか良いことがある。そんな世界線が実現していくとエモみがあります。
公共財への寄付やGitcoinの話を知ればよりRetroActiveを理解できるかと思います。
詳細:OSS / 公共財のExit戦略、レトロアクティブ・パブリックグッズ・ファンディング
Retroactiveを感じさせるためには
NFTでRetroActiveを表現するには、コレクションを見やすく整えるViererの機能が重要です。NBA Top Shotは、Showcase機能でこれを実現しています。コレクションを作成し、自分のプロフィールページに表示するためのシンプルなツールを提供しています。
NFTは売って終わりではなく、売った後「あの人が持っているNFTが欲しい!」「すごい!」と思ってもらうためにも「おれのこれを見てくれ!」がすぐにできる便利なViewerの機能は重要です。
NBA Top ShotのShowcase機能:ソース
コレクティブな要素は「集める」という要素も楽しいですが、集めたものを「眺める」ことも楽しいものです。デジタルコレクションを公開することはNFTクリエイターやキュレーターからすると個人のステータスに直結することなので非常に重要です。
CollectiblesNFTは、NFTクリエイターの収益性を向上させるだけでなく、クリエイター以外のキュレーター経済の到来を予感させてくれるものです。
例えば、Spotifyのリスナーがプレイリストに投票し、上位のキュレーターが現金とSpotifyの株式を受け取るとしたらどうでしょうか。また、Pinterestがトップエンジニアに報酬を与えるのと同じように、トップピナーに報酬を与えたらどうでしょうか。これはトークンで実現できるキュレーション経済圏の1つです。
より多くのデジタルメディアがデフォルトでNFTになると、トップソング、ビデオ、ニュースレター、ポッドキャストなどのキュレーターは、NFTコレクションをバンドルし、ライセンシングやエンゲージメントに基づいてロイヤリティを得ることができるようになり、全く新しいキュレーター経済が誕生するでしょう。コアファンがコンテンツに貢献することで金銭を得ることができ、ただのファンからプロのファンに変わるのです。
NFTを集めることで、自身のキャリアの証明になる or 他者との差分を表現できるUI/UXになっているかという点が評価ポイントになります
Network Effect
いわゆるネットワーク効果です。FlexとRetroActiveはコミュニティの内向きの考え方ですが、ネットワーク効果は外から人を呼び込むであり、バズるミームが重要となります
web3の根底に存在する重要な思想、ミーム文化とは
このミーム文化はCryptoの文脈ではよくあることでして、DOGEコインなどで顕著に見られます。DOGEコインはBTCのパクって作られた犬のロゴを冠したコインです。DOGEはジョークによって作られ、特別な機能は何も持たないので、これらの暗号通貨はミームコインと呼ばれます。
ブロックチェーンはボトムアップ特性を持つ技術です。Bitcoinもサトシ・ナカモトからボトムアップ的に世界に広め、今や金融資産と認められるほどに成長しました。筆者は当時の事まで把握していませんが、生まれたばかりのBitcoinもミームのようなものだったのではないでしょうか。
Bitcoinが初めて決済に使われた日として、Bitcoin Pizza Dayという日があります。当時は1枚のピザが2万BTCで購入されました。これも、「BTCでピザ買えたんだが!クソうけるw」がおもしろかった時代があり、様々なミームがBitcoinの価値を喧伝する媒体として機能しました。
これらのミームの多くは文字を介さないおもしろい画像や動画なので、言語や国境を跨いで伝播していきやすい特徴を持ちます。
Bitcoinで決済を使えることが珍しくおもしろいことであった時代から比べれば、今のBitcoinは絶大な信用を勝ち得ました。もうBitcoinを決済に使って笑う人はいません。ミームを楽しむ人の数が既存の仕組みを信じる人よりも多くなれば、ミームはミームではなくなり虚が実になるのです。ブロックチェーン的な話に文脈を合わせると、ミームは既得権益に対する51%攻撃に近い性質を持ちます。
この性質を表す最高の名言をイーロン・マスクが残してくれています。
「人生は皮肉なものだ。ジョークで作られたDOGEコインが、本当に通貨として使われるようになれば、これこそ最高の皮肉だ」
虚が実になることはこれまで虚をバカにしてきた人間への最高のアンチテーゼです。これを分かっていてDOGEミームを量産するイーロン・マスクは世界最高のミーム職人と言えるでしょう。DOGEを王にしようとするイーロン・マスクのミーム画像を見て笑える人はCryptoを分かっている人である証です。
国境を超えて伝播しやすい最高のミームを作ることができれば、マーケティングは成功したも同然です。後は勝手にユーザーがミームをおもしろがっていろんなコミュニティやTwitterに貼り付けて広めてくれる流れが生まれます。
DOGEのミーム事例から学べることは以下です。
Crypto系ミームは意味がないように見えるが、私たちが誰であるか、何を信じているか、何を軽蔑しているかを世界に伝えている踏み絵として非常に重要な役割を担っている
専門用語を多用した言語は、"理解できる "人たちの特権的なクラブを生み出すだけであり、ミームは言語を介さない共通語になりうる
支配的な既得権益の欠陥を攻撃し、信じさえすれば簡単に手に入る明るく充実した未来を示すシンプル、かつ、バイラルなミームを作ることができれば成功は目の前であること
この辺のより詳しい話はこちらでも書いています。
Web3.0はよくも悪くも地に足が付いていない業界であると思っておりまして、「ネタでやっている感」が重要なのではないかなと考えています。
ネタでやってるから岩の画像が高額で売れる
ネタでやってるからイーロンの一声で柴犬のコインが高騰する
そういう意味では、こちらもネタで「Web3.0の教科書」を書いているのに、ネタにマジレスしてくる人たちは滑稽な存在に見えてきます。
ネタで書いた本にきたマジレスを吸収し、RetroActiveに活動を続けていき、「これが教科書でええやん」と世の中の半分の人が思った時、のぶめい本が本当に教科書になる。と考えるとのぶめい本も世の中に対する51%攻撃ですね。
Whyブロに対する答えは「長さ」
ブロックチェーンの説明をしていると、「それ、ブロックチェーン使う必要あるの?」と質問されることが多いこの業界。通称Whyブロ問題ですが、その答えとして考えなければならないのが、やろうとしている施策は「長さ」を表現する意味があるかという点かと思います。
ブロックチェーンは「履歴」を証明できる技術であり、ブロックチェーンは「長さ」を証明することに向いています。
全くWeb3.0は関係ない事例にはですが、最近TVCMなど様々な場面で引っ張りだこのなかやまきんに君は「長さ」が評価された事例ではないかと考えています。
みんな大好きなかやまきんに君
参照:https://thetv.jp/news/detail/1056100/
きんに君のギャグは何年も前から変わっていません。
そのギャグを見て最初はおもしろくないなと思うかもしれませんが、全く同じギャグをやり続けた結果、ギャグ自体がきんに君の生き様を表すようになり、ギャグがアート化しているように感じます。自分のスタイルを貫き続けるスタンスはもはやロックです。
きんに君の事例は彼が時々TVやメディアに登場しそれなりの認知度があったことにより、何年も前から同じことをやり続けてきた「長さ」が証明されている状態だったのではないかと思っておりまして、長さが評価されている時代が来ているのではないかなと個人的に納得している次第です。
「長さ」は先に始めたものを超えることができない絶対的な価値です。
私自身もメルマガを2年間書き続けており、最近になってメルマガを書き始める方も増えてきましたが、この2年前から書いているという事実を塗り替えることはできません。
きんにくんは芸人であり、メディアに度々出演できる立場にありましたが、ブロックチェーンが登場したことにより一般人でも「長さ」を表現することができるようになりました。
こつこつ毎日オンチェーンに日々の活動を記録していた人のログを誰かが発見し、「おい、こんなことを10年続けてるやばいやつがいるんだけどよぉ」というミームが掘り出される未来があるかもしれません。
「なんでそんなことを?!」と思われるようなことをやっているコツコツ変態はお金にあまり関心がないことがほとんどかと思っておりまして、(だってお金欲しかったら別のことするよね?)そんなコツコツ変態の活動を応援しよう月1,000円くれるファンが100人でもいれば少しは生活できるようになるわけですよ。
ゲームソフトなどの商品は、定価が決まっており、その価格よりも価値を感じている体験価値分の収益機会を逃しており、価格以上に価値を感じない方には買ってもらうことができません。NFTであればゲームソフトのような形よりも様々な価格帯の商品を簡単に作り出すことができます。
人によりNFTから得られるFlexは異なるので、様々な商品・差分を用意することで体験価値に応じた柔軟なプライシング設定が可能となります
NFTによるマネタイズはクリエイターの利益を最大化する
コツコツ続けられる変態にスポットが当たりやすくなる世の中がWeb3.0で実現されるのではないでしょうか?
クリエイターと1,000人のファンの話はこちらに書いています。
いかがだったでしょうか?
Twitterではこんな話をつらつらとしておりました。
本日は以上です。
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ご連絡
拙著「Web3.0の教科書」が2023年1月11日に出版されました。ぜひ手にとってみてください。
イベントがあります
3/18日AMにて、イベントがあります。
https://metagri-web3-seminar.peatix.com/
のぶめいラジオ
メルマガの内容をのぶがめいに解説するラジオをやっています。
最初はstand.fmで収録していましたが、データのDLができずPFに囲い込まれるのが嫌なのでPodcastに変更しました。良い方法を模索中です。
Supotify, Anchor, stand.fm(もう更新しない過去分)
SUSHI TOPの採用情報
のぶめいも働いているSUSHITOP社で一緒に働く方を募集しています。シードで1億調達したスタートアップにアーリーフェイズから参画することに関心のある方はぜひご応募ください!
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@はるか先生が書いているこちらを読んでおけばNFT関連ニュースはカバーできるのでオススメ
一覧はこちら:https://nftnews.jp/weekly-nft-news-list/
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