■今日のメイントピックス
OSS化されDAOに近づいていく世界的なトレンドを感じる
最近このようなニュースがちらほら流れてくるようになりました。OSS化、DAO化とはなんでしょうか。今日はその辺りのトレンドについて書いていきたいと思います
IBM、自社保有のHyperLedger Fabricのコードをオープンソース化
Square、Blockstreamと協働でオープンソースマイニングプロジェクトを立ち上げへ。併せてダッシュボードによる透明性確保も
OSSはLinuxのようなソースコードが公開され誰でも開発・利用可能なソフトウェアのことです。細かい定義はこちらに定義が載っています。
下の中央集権型と分散型の比較図はブロックチェーンを調べ始めると最初に見る図ですが、OSSはブロックチェーン技術が登場する以前から右側の権限が分散された状態で開発が行われていました。
ブロックチェーンが登場する以前より、「分散型」の思想は「オープンソース」として存在しており、優秀なエンジニアたちが企業が開発できない公共性の高いOSSに対し「自らの正義の元、理想の世界を目指して自らのリソースを無償提供する」高尚な思想を持って開発をしていた時代がありました
オープンソースの最たる例が「Linux」です。Linuxができた当時はWindowsが世の中を席巻しており、開発元のMicrosoftに依存しないオープンなOSが求められていた時代背景があります
ですが、OSS開発には致命的な欠陥がありました。それはこちらです。
OSS開発全然儲からない問題
Linuxの開発者で誰か有名な方をご存じの方はいらっしゃるでしょうか?おそらくいないのではないかと思います。LinuxはOSSであるがゆえにお金を取ることをしません。そのため、開発に時間とリソースはかかるもののエンジニアたちが生活できなくなってしまうのが一番の問題でした
分散型組織は出来上がったOSSが上げた収益を受け取る「器」を持ち合わせておらず、器を誰かが持つとそこが中央集権的になり器を維持するためにマージンを抜いて利益を出す必要が出てきてしまう矛盾がありました
そこで登場してきたのがブロックチェーンです。実はBitcoinやEthereumもOSSです。ソースコードはGithubですべて公開されています。そして、BitcoinであればNakamoto Satoshi、EthereumであればVitalik Butelinが億万長者ところではなく桁を超えて兆人となっています。
この違いはPeer-to-Peerで直接価値を送り会えるブロックチェーン技術があったかどうかの違いになります。ブロックチェーン技術の登場により、収益を貯める器が無くても収益を受け取ることができるようになり、公共性の高いOSSに参加しそのOSSの価値が高まり利用者が増えたら初期からOSS開発に参加していたエンジニアに収益が還元される、そんな仕組みがついに実装できるようになったのです
OSSの思想は崇高で人を引きつける魅力があります。「貧困をなくしたい」とか「戦争をなくしたい」のような誰もが頷くしかないような理念を掲げていることが多く、今までは世迷い言でしかなかった思想がOSS×ブロックチェーンにより実現可能になりました。
この思想は基本的にBottomから広がります。キリスト教も仏教のような宗教も民衆から広がってきた歴史があり、これは止めることができません。思想は伝播していき、民衆の声が大きくなってくると中央集権的なPFも体制を変えざるを得なくなってきます。
そうなってくると、企業は対応せざるを得なくなり利益を守れる範囲で現実的にどこまで譲歩できるか考えるようになってきます。今回のIBMやSquareのOSS化はBottomに言われる前に積極的にOSS化に走った結果だと思っています
OSS開発を支援する寄付プラットフォーム「Gitcoin」
Gitcoin[GTC] という寄付プラットフォームがあります。詳細はリンクを踏んでもらえればと思いますが、これはOSS開発をする公共性の高いプロジェクトに寄付するための仕組みです。
UniswapのようなAMMのように、寄付されたお金は流動性Poolに一時的に貯められ、公共性の高いプロジェクトに寄附金額が多く集まるよう、数学的な配分システムが組み込まれています
そして、ちょうど昨日ぐらいからGitcoinのRound10の寄付募集が始まっています。100円レベルの超少額から寄付することができますので覗いてみてはいかがでしょうか。ミライのGAFAの卵たちがコロコロ転がっているのがなんとなく感じられると思います
Gitcoinはつい最近、GTCというガバナンストークンを配布しており、ROUND1-9に寄付してくれたユーザーに総発行量の半分を配布しました。結果、寄付したユーザーが寄付した金額以上に儲かった、という謎の現象が起こりましたが、Round10で寄付をおこなってもGTCは受け取れます
将来的にGTCが高い価値を持つようになれば今の法定通貨建ての価値よりも高くなっている可能性は十分あると思います。ぜひお試しください
Introducing GTC — The Gitcoin Governance Token
その他のニュース
メルカリ、ビットコインをメルコインで"大衆化"する──NFTはどうする? | coindesk JAPAN | コインデスク・ジャパン
メルコインの話が載っていました。取締役の伏見さんは元origamiの人ですね。これからBitocoinは大衆化していくがそこを強力な顧客基盤を持っているメルカリが担うのだと記事中には書いてありました
メルカリのR&DはCrypto界隈でも存在感あるので注目しています
Flare Network(FLR)、DCGなど参加の出資ラウンドで12億円調達へ
基本的にXRP関連は好きではありませんが、XRP版のDeFiプロジェクトが資金調達しています。わざわざEthereumの競合をXRPで作る意味はわかりませんがXRPホルダーを囲い込み
Flare Networkは、リップル社の投資部門Xpringが出資を行ったプロジェクトで、XRPなどさまざまなブロックチェーンでスマートコントラクト機能を実装し、安全でスケーラビリティ(規模拡張性)の高いネットワークになることを目指す。メインネットのローンチは6月末に予定していたが、ずれ込む可能性もあるとしていた。
JPYC on Polygonめちゃくちゃ売れてる, 1億⇒3億追加発行
日本円Stablecoinの前払式決済手段JPYCがめちゃくちゃ利用されています。特にPolygon上で利用可能なJPYCの売れ行きがすごいらしく追加発行がされました。
通常、Polygonブロックチェーンを利用するためには、仮想通貨取引所に入金⇒ETHを購入⇒UniswapでETH、Maticを交換⇒Polygonネットワークに送金の手順が必要です。その間にGas代が複数回かかりGOXリスクも高まってしまいます。
Polygon上で使えるJPYCをKYCなく簡単に入手できるJPYC on Polygonの存在が界隈にウケているようですね
doublejump.tokyo が⽇本発パブリックブロックチェーンPlasm Network / Shiden Networkとパートナーシップを締結。
最近の提携の動きがすごい。マルチチェーン対応を世界で一番勧めているのはdoublejumpではないでしょうか
ビットコインへの51%攻撃とは何なのか?ビットコインへの大きな脅威と言えるか? - YouTube
ビットコイナー反省会から勉強会動画が公開されていました。Polygonのような新しいブロックチェーンは早くて便利ですが、分散性がいまいちです。そのリスクやBitcoinの仕組みを理解する上でも重要です。
今日のネタ枠
真面目な話ばかりでもつまらないのでネタ枠も作りました。
はるか先生がブロックチェーン小説を書いてくれています。度々、界隈の人間を登場人物にしてこういった物語を書いてくれるのでおもしろく読ませていただいています