速報っぽいので今日は少し早めに配信しています。Binance使ってる人がいたらシェアしてあげてください。
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前回記事:米国大統領候補がガチもんのビットコイナーだった件【20230523】
本日のメイントピック
世界最大の暗号通貨取引所であるバイナンスが、2020年と2021年に顧客資金を会社の収益と混同しており、顧客資金を分離して管理することを求める米国の金融規則に違反していたと、この問題に詳しい3人の関係者がロイター通信にリークしました。
元記事:Crypto giant Binance commingled customer funds and company revenue, former insiders say
ロイターは、この数字や頻度を独自に確認することはできなかったそうですが、2021年2月10日にバイナンスが法人口座から2000万ドルを、顧客の資金を受け取る口座から1500万ドルと混合したことを示す銀行記録を確認したとのことです。
元記事の中では、誰が資金を実際に管理しており、どこの銀行を経由しているのか、なにが怪しいのかについて、関係者への取材により明かされており、顧客資産を流用していた確たる証拠は今回出ていないものの、この調査力であればいつか到達してしまうのではないかと思わされる内容でした。
■ ロイターが明らかにしたBinanceのお金の流れ
ロイターは、2019年から2021年までの銀行と会社の記録を調べ、元会社の内部関係者にインタビューし、Binanceの取引所で従来の現金がどのように流れていたかをまとめました。その中で、ロイターは、シルバーゲート銀行の口座に流れ込む顧客の資金に、会社の収益が混ざっていることを発見したとのこと。ロイターは、これらすべての資金の出所や、すべての送金の性質を特定することはできなかったとしているものの、数ヶ月前に破綻したシルバーゲート銀行を利用していたり、タックスヘイブンのケイマン諸島の銀行口座を経由していたりと、きな臭いことこの上ないです。
■ Binanceの反応
ロイターのリークを受け、Binanceは顧客の預金と会社の資金を混ぜたことを否定しています。当然です。FTXも最初はそうでした。
「これらの口座はユーザーの預金を受け入れるために使われたのではなく、ユーザーの暗号の購入を促進するために使われた」と広報担当者のブラッド・ジャッフェは述べています。(本当かよ、言い訳苦しいぞ)
顧客と企業の資金が混在することは、金融機関の顧客にとって大きな損失の前兆となります。FTXショックでは、暗号取引所FTXの創設者であるサム・バンクマン=フリードが長年にわたり、自身の取引会社で顧客の資金を混同し、その資金をベンチャーキャピタル投資、政治献金、不動産購入の資金として使っていました。
Bankman-Fried氏は詐欺罪について無罪を主張し、故意に資金を混同したわけではないと言っていますが、ほとんどの人間が「おまえが無罪主張する?」と思っており罪の有無は賭け事になるほどCrypto界隈の注目となっています。
参考)FTXサム逮捕、SBF GO TO PRIOSONトークンを知っているか
■ Cryptoの世界を暗躍してきたBinance
Binanceは近年、世界の暗号通貨取引の70%を占めるほどのNo.1の取引所に成長しました。同社は当初、暗号通貨のみでビジネスを展開し、世界の銀行システムを回避しKYC規制や各国の規制も知らぬ存ぜぬ態度でした。金融庁からも勧告を食らったこともあります。
2年前に書いたこちらでは当時のBinanceの無法ぶりについて触れています。
参考)Binanceがやバイナンス?!企業風土に見る今後の永続性はいかに
Binanceが多くの顧客を獲得し、多くの従業員を雇用するにつれ、顧客から受け取ったドルを預金し、賃金やその他の経費を支払い、投資資金を調達するために、従来の銀行口座の必要性が高まっていきました。
しかし、銀行口座を開設する = 収益を国に監視されることと同義です。Binanceは自らの収益を銀行や国家の検疫が及ばないようにし、なるべく税金の支払いを回避できるタックスヘイブンを経由する独自の送金ネットワークを構築していると見られており、ロイターの記事を見てもその様子が伺えます。
Binanceは、Binance.comの取引プラットフォームがどこに拠点を置いているのか、どのような法人税をどこに支払っているのかを公表したことはないとされており、その徹底ぶりは現地法人の公的書類に納税額を記述していないほどです。
おそらくどの国もグローバルで展開されるBinanceの正確な収益を把握しているところは無いのではないでしょうか。
そんなBinanceです。
普通の銀行であれば口座開設は断りますが、そこに手を差し伸べたのが先日破綻したシルバーゲート銀行です。元記事を見てもらえれば、その複雑さに舌を巻くことでしょう。Binanceはシルバーゲート銀行口座をハブとした銀行ネットワークを構築していたようですが、一連の倒産事件により、送金網は新しく構築されることを余儀なくされました。
暗号部門に対する米国の取り締まりが加速する中、どの銀行がBinanceの次の運営の要となるかは不明であり、CZ氏はTwitterで、「1つのドアが閉まれば、他のドアが開く」と新しい銀行のパートナーを探していると発言しています。
■ Binanceの規制を守る態度はかなり適当
SECのゲイリー・ゲンスラー委員長は、米国の顧客に証券を提供する多くの暗号取引所が、登録ブローカー・ディーラーに企業資産から分離して顧客資金を保護することを要求する法律を遵守していないと述べています。
たとえば、Binanceは米国人へのアクセスを制限すると公言しているにもかかわらず、2019年から今年にかけて、米国の顧客が同社のプラットフォームで取引できるようにしています。これは日本も同様で、BinanceJPがこの度誕生することになりましたが、日本人がBinance.comにアクセスすることは制限されていません。
これに対しBinanceはブログで、「米国人ユーザーをブロックしているのにお前のとこのユーザーが勝手に使ってるねんなー」と反論も適当な感じです。
Binanceが全く納税していなかったとしても私は驚きません。
Binanceで取り付け騒ぎが起きればFTX事件の再来となる可能性も
規制を準拠しない数年前に比べれば、最近はルールを守るようにもなってきていたBinanceですが、ロイターが説明したBinanceのお金の流れは、顧客の資金を明確に識別し、会社の収益から分離するための内部統制が欠如していることを示しています。
FTXショック同様、Binanceでも顧客資産がリスクに晒されているのでしょうか。
ロイターは、バイナンスの顧客の金銭が失われたり奪われたりしたことを示す証拠を見つけられなかったとのことですが、怪しいところに煙はたちません。
海外のBinanceに資産を預けている方は早々に資金を引き上げたほうが良いといえるでしょう。
また、Binanceは敵が多いのも事実です。
少なくとも、FTXショックの引き金を引いたのはBinanceのCZでした。
この事件により爆損を被った方も多く、米国政治家に多額の献金を行っていたFTXを潰した米国からの風当たりは特に強くBinanceに降り注ぎ、今や世界中の銃口がBinanceに向けられている状態です。
規制を守らず世界No.1に君臨するBinanceを規制を準拠することでシェアを奪われたCoinbaseなどの取引所は苦々しい気持ちで見ているでしょう。きっかけがあれば躊躇なく引き金は引かれることになります。
今回のリークが本当かウソかは関係ありません。
取り付け騒ぎが発生し、Binanceの預金が枯渇し顧客資産を流用していたのであれば資金繰りが悪化し世界No.1の取引所が明日にはなくなっている可能性も否定できないのです。
最後に、Binanceは嫌いになってもCryptoは嫌いにならないでください。
本日は以上です。
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