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ステーブルコイン、日本で年内発行へ 1000兆円市場開拓 | 日本経済新聞
米ドルや日本円などの法定通貨に価値がペグされた暗号資産、ステーブルコインが日本でも発行できるようになりました。
22年6月に成立していたステーブルコインを電子決済手段と定義する改正資金決済法が23年6月1日に施行され、これを受けて地方銀行などが年内にも発行する見通しとのことです。日経によると、年間1000兆円規模の企業間決済の効率化に繋がる見込みとのことです。
ステーブルコインとは
一応、ステーブルコインの説明をしておきます。
ステーブルコインとは法定通貨の1円や1ドルに固定された暗号通貨のことです。「Stable」の名の通り、は価格変動しないことを目的として作られており、発行主体や発行方法により様々な種類があります。
法定通貨に価値が固定されている有名なステーブルコイン群(USTは消えました)
暗号資産には、「価格が変動しすぎて決済に使えない」という批判があります。それは、基本的に「通貨」とは、次の3つの要素を満たす必要があるということが根拠になっています。
価値の交換手段:モノと交換できるか(通貨を使って商品を購入できるか)
価値の尺度:モノの価値を示せるか(商品の値段を表現できるか)
価値の保存:通貨そのものの価値は変わらないか(ボラティリティが低いか)
昨日は1BTCで購入できた商品がBTCの値下がりによって、1.5BTC必要になっていたら通貨として使用できないのは当然です。「価値の保存」の要件を満たしていません。デジタル・ゴールドとして認められつつあるBTCですら一般的な決済に使うにはボラティリティが大きすぎるのが現状です。
また、ステーブルコインには発行方法によりいくつか種類がありますが、今回発行を想定されているのは、法定通貨担保型です。1万円のJPYを預かって、1万円分のステーブルコインを発行体が発行することになるので、担保の安全性が課題になります。
法定通貨担保型のステーブルコインの課題は、発行体が担保を安全性です。便利さを享受するために発行体にTRUSTを置く必要があり、実際に年初の米国銀行破綻に伴い最も安全性が高いと考えられていたUSDCの地盤が揺らぐ事態も発生しています。
法定通貨担保型はCryptoの思想に反する仕組みであるため、それらのデメリットを補う形で暗号通貨担保型、無担保型のステーブルコインも市場には登場してきておりますが、これらはまだまだ未検証な領域であり、今まさに「時の試練」を受けている段階です。
Cryptoの一般化のためには、決済用ステーブルコインが必要ですが、まだまだ一般化するまでにはまだまだ時間がかかる領域となります。ようやくスタートラインに立ったぐらいです。
業界的には大きな前身だが、一般人にはあまり影響がない?!
ステーブルコインのメリットとしては一般的に以下が挙げられます。
通貨の価値が安定している
P2P送金されるので決済手数料が安い
国家間の垣根を超えた取引が可能
おーすげーとなりますが、実は一般層にはそれほど恩恵はないものと思われます。
日本は平和でJPYの価値も比較的安定しており、最近ではPayPayなどの決済アプリも普及してきたこともあり、送金手数料無料で利用することは可能です。
また、99%の日本人は海外送金などはせず、何億というお金を動かすこともないのでステーブルコインよりもクレカやQR決済でよくねとなるのは当然です。
日経によると、国内外の企業間決済における効率化が進むことが期待され、その市場規模が1000兆円前後で、企業と個人間の取引市場の約3倍以上。ステーブルコインによりグローバルな取引の増加につながれば、多国籍企業間の決済などの手数料を得やすくなる可能性があるとのことです。
記事内では「多くの地銀がステーブルコインの発行を検討している」と述べており、「誰が地銀発行のステーブルコイン使うねん」という感想は一旦おいておき、特定の地域の限られた流通網でちまっと利用される未来が見えました。
大企業であればメリットがある。ということなので、企業内でのDXの一環としてステーブルコイン決済が推し進められ、インフレで材料が高騰した分を相殺する企業努力として利用されていきそうな予感がします。
ステーブルコイン規制は日本が先行
FTX事件が起きた際、サムに利用された顧客資産はまだ帰ってきていませんが、顧客資金の分別管理を徹底させていた日本リージョンのFTX Japanの顧客資産は無事でした。
事件以前は、厳しい規制であるとブーブー言っていたユーザーの掌返しで日本の規制対応を称賛するスタンスに変わっており、Crypto Heavenがもう一度やってくるのでは?!という期待まで沸いてきています。
ステーブルコイン関連の規制においては、日本が世界に対し先行しているようです。
■ 顧客保護はガッチガチ
改正資金決済法によると、日本国内で発行されるステーブルコインの裏付け資産を準備する責任は発行者にあり、発行者は銀行、資金移動業者、信託会社などに限定されます。海外発行のUSDTやUSDCについては、発行者ではなく流通業者が資産を保全する義務があるようです。
その上、マネーロンダリング防止の観点から、取引情報の記録が流通業者に対して要求されるようになるとあり、この資産保全と記録の管理には多大なコストが掛かりそうですね。
銀行預金の場合、預金が保証されるのは1,000万円まで、預金を融資や運用に回すことで銀行は収益をあげています。ステーブルコインの場合、顧客資産を保全する必要があるため、銀行預金よりも厳しいレギュレーションを与えられていると言えます。
正直、どこで儲けるんや?って思ってます。
日本円ステーブルコインといえば、JPYC
日本円ステーブルコインといえば、「前払式決済手段で発行されているERC20規格のJPYステーブルコインJPYC」がありますね。書いてみて思いましたが、早口言葉みたいです。
記事内でもJPYCへの言及があり、JPYC社は資金移動業の取得を目指しています。
スタートアップ企業JPYCは、年内に資金移動業の登録を終え、円ベースのステーブルコインを発行する計画を立てている。同社がこれまで前払い式支払手段として提供してきたJPYCは、新規定によりステーブルコインとなることで利用の可能性が広がる見通しとなっている。
資金移動業を取得することにより、これまではできなかったJPYCの払い戻しが可能になるため、海外のUSDCなどと比べても遜色ない性能のステーブルコインとなります。
ERC20というのもポイントでEthereum規格で作られているため、DeFiやdAppsとの接続がプログラマブルに行うことができ経済圏が外に開かれています。
銀行らが発行される通貨はプライベート型で発行される傾向が強いため、せっかく発行されたけど海外では誰も使ってない利便性が薄い通貨が誕生する可能性がある点、どうなっていくのか気になっています。
ひろゆき VS のりたか ABEMA Primeにて決戦
本件に関して、JPYCの岡部さんがABEMAに出演しひろゆきと舌戦を繰り広げるそうです。
時間は6/2(金)21時から。めちゃくちゃ楽しみです。
ABEMAを見ながらスペースを行う生放送もあるようです。私も華金がなければこのプロレスを観戦したい所存です。
https://twitter.com/i/spaces/1eaKbrQdrXaKX?s=20
Crypto領域におけるひろゆきといえば、ABEMAで度々Crypto界隈の方々と戦いを繰り広げており、それっぽい知識で「勝った感」を出すので毎回Twitterタイムラインが荒れるやつです。
おいおい、今更送金速度の話ししてんのかよ?と話題になったTweet。
「ライトニングって知ってる?」という反論がそこら中からでてたやつ。補正込みで反論がかなり苦しい感じであった記憶があります。
https://twitter.com/hirox246/status/1482405964263432202
■ Cryptoに対する反論はインフラ叩きが鉄板
Web3.0業界がいくら発展したとて、それを使う1番上にあるレイヤーはユーザーです。このレイヤーは誰もが目で見て良し悪しをすぐに判断できるので、最も批判を受けやすいレイヤーです。
Web3.0に懐疑的な人の多くは、現時点でのひどいUXをすぐに批判します。アンチWeb3.0の方々にお伝えしておきますが、Web3.0を貶めようとするならば、UXの悪さを指摘するのがもっとも共感を得やすく最も「いいね」がもらえ、手軽に承認欲求を満たすことが出来るのでオススメです。
ビットコインの「送金時間の遅さ」の指摘も、その時点での事実ベース、かつ、極論を持ち出してYes or Noを迫る戦法を得意とするひろゆきからするとWeb3.0ほど批判しやすいものはないでしょう。
おそらく「ステーブルコインとか誰が使うんすか?」的な発言が飛び出すことが予想され、岡部さんの「まだJPYC持ってないの?」カウンターが炸裂することを楽しみにしております。
本日は以上です。
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今日のネタ枠
💡 真面目な話ばかりでもつまらないので息抜きにネタ枠を用意しています。
岡部さんが手掛ける「青ヶ島DAO化計画」もおもしろいです。
将来、ステーブルコインが銀行しか発行できなくなった際のリスクヘッジとして、さすがに新規で預貯金取扱金融機関を作るのは難しいので、
例えば青ヶ島の漁業協同組合や水産加工業協同組合を預貯金取扱金融機関にして、そこでステーブルコインを発行したりできれば面白いんじゃないかとも考えている。
↑ サイコすぎるのでネタ枠です
参考)https://www.asteria.com/jp/inlive/local/5891/
ご連絡
拙著「Web3.0の教科書」が2023年1月11日に出版されました。ぜひ手にとってみてください。
https://twitter.com/nobu_mei/status/1615737153119727616
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