#132 Substack
今日は過去記事のリライトになります。
前回記事:[Daily Topics]CoinGecko, 2021年Q3レポートを読む
解説ラジオ:ラジオで聞くならこちら
English ver:Read CoinGecko, Q3 2021 Report
This newsletter is now being translated into English on the same day. I'm really grateful for the instant translation !
最近、Ethereum以外のスマコンプラットフォームが元気でSolanaやAvalanchなどが元気です。マーケットのシェア率を見ても、TVLの数字が伸びてきています。
近頃はあまり「打倒!Ethereum!」や「Ethereumよりも処理速度が速い」という謳い文句でEthereumキラーを名乗るプロジェクトは減ってきましたが、なぜ減ってきたのか、今後どうなっていくのかを予想しておくことは重要です。
DeFi2.0などのバズワードも聞こえてくるので今一度、以前投稿した記事をリライトしながらEthereumの価値を紐解いておきたいと思いました。
前回執筆分はこちらです。[Daily Topics]次世代インターネット基盤Ethereum
Web3.0のインターネット基盤になっていくEthereum
これを読んでいるあなたはETHやBTCの送金を体験したことがあるでしょうか?一度でも試してもらった事があるのであれば、送金から着金まで数分のタイムラグがあり、普段我々が使っているWebサービスに比べると遅く感じてしまうのではないかと思います。
実際、BitcoinやEthereumネットワークは秒間数件ほどしか処理することが出来ません。すべての分散台帳に履歴を書き込みに行っているので当然です。我々が日常的に使っているクレジットカードの決済がVISAで秒間4,000件ほどとのことなので、それに比べると性能が足りていないことは明白です。
よくあるパターンとして、Crypto界隈で新しく出てきた新興プロジェクトがEthereumやBitcoinの処理性能の低さをさして、「スケーラビリティがない、俺たちのほうがすごい!」と宣伝している様をよく見ますが、Ethereumの強さはそこにはありません。
Ethereumの強さは、「コミュニティ」
Ethereumの本当の強さは、「コミュニティ」とそれに付随する「開発者の多さ」です。
Truffle というEthereumを開発する上で必要不可欠な用開発フレームワークがあるのですが、そのDL数は加速度的に伸びています。現時点で570万人ほど、先月時点からは12%も増加しており、Cryptoへの関心が薄れた19-20年はやや落ち着いたものの、直近のNFTサマーでも多くの開発者が流入してきていることがわかります。
https://www.trufflesuite.com/dashboard
仮にEtherumに代わるブロックチェーンプラットフォームがEthereumを打倒しようとしたとしても、常に前進を続けるEthereumコミュニティの成長速度を超越しなければならず、これはかなり難しいハードルであることはご理解いただけるはずです
また、新しくできたブロックチェーンを誰も使用していなければ、秒間何トランザクションを捌こうが関係のない話です。さらに、ブロックチェーンの上で価値あるアプリケーション開発してもらうには、開発者がアプリを構築したくなるよう十分魅了しなくてはなりません
そのため、開発者の数はコミュニティにとって非常に重要です。
Web3.0の世界線においては、OSS開発が当たり前、分散型アプリケーションの存在が当たり前にになってきます。以下はイメージですが、世界の人間の数は有限なので、Web3.0のアプリケーションを開発する人間の数、つまりコミュニティリソースも限られます。
新しいブロックチェーンが登場するということは、このコミュニティリソースをどれだけ既存のブロックチェーンから奪えるかというリソース獲得競争にさらされます。
コミュニティリソースのシェア競争のイメージ図
Ethereumの開発者が多いということはそれだけリソースが多いという事と同義になります。開発者が一番多いブロックチェーンプラットフォームが、広くメインストリームから受け入れられるプラットフォームとなっていきます。
実際にEthereum上でUniswapやStablecoinの多くが発明されイノベーションのメッカになっています。BSCやその他のチェーンはEthereumのコピーないしは、Ethereumに勝てないので異なる戦略を持って活動しているものがほとんどです。
そういった意味で、Ethereumが未来のインターネット基盤に相応しい最も盤石な開発基盤を持っています。
Ethereum上の開発者が多いということは、役立つものを作る開発者が多いということで、この数が多ければ多いほど、新しい開発者にとって構築が簡単に(そしてより楽しく)なり、その効果は複合的となりネットワーク効果を生みます。
以下はネットワークのノード数が高まるほどにネットワーク自体の価値が高まるメトカーフの法則です。
もしあなたが開発者でイーサリアムに取って代わるブロックチェーンプラットフォームを構築したければ、イーサリアムの開発者にとっての使いやすさに太刀打ちするために、そのプラットフォーム上にこれら全ツールに相当するものを構築する必要があり、これは土台無理な話です。
Ethereumは分散性を犠牲にしないから強い
Ethereumはその思想から、分散性を犠牲にしません。
よくパブリックブロックチェーンの課題として、「セキュリティ・スケーラビリティ・分散性」の3つを指して、トリレンマの課題と表現されることがあります。これは物理法則のようなもので、ブロックチェーンは分散性、スケーラビリティ、セキュリティという3つの特性のうち2つしか解決できないというものです。
例えば、ブロックチェーンのスケーラビリティを増加させたいのであれば、中央集権的なサーバーを立ててデータを処理していけば目的は達成できますが、分散性が犠牲になります。
ブロックチェーンの高速化を図る多くのプロジェクトは分散性を犠牲にすることでセキュリティとスケーラビリティを高めている事例がほとんどです。分散性を犠牲にし、処理を中央集権に寄せたDBに近いものにしたほうが単純に通信回数が減って高速化できるからです。
ですが、Ethereumはどれだけ自身のブロックチェーンがトランザクション詰まりを起こしても絶対に分散性を犠牲にする開発をしません。これにより、Ethereumは誰でもどんな目的にでも使用でき、誰の許可も必要としない、Permissionlessを実現しています。これにより、誰かがEthereumのブロックチェーンにコードをアップロードするのを、そしてユーザーがそのコードを実行するのを誰も止めることはできない、検閲耐性を持たらします。
そして、このルールはEthereumを作った人間ですら、ルール変更ができません。**「今後そのルールを変更して彼らのユーザーと利益を奪い取ることが”ない”とわかっている」**安心感は開発者にアプリケーションを構築させる強い動機を生み出します。
FacebookやApp Store上のアプリケーションの構築を行う場合、これらのプラットフォームが将来あなたをアクセス禁止にしたり、特定のユーザーがアプリ使用やアップデート閲覧を行えないようブロックしたり、もしくは同じユーザーがアクセスするのに高額な料金を課したりしないことを信用する必要があり、開発者は常にプラットフォームに振り回されてきました。
Permissionlessなインターネットは現在の中央集権型インターネットの対になる概念です。現在のwebサービスでは個人情報の流出やデータが意図しない形で利用され、中央集権者を絶対的に信頼することで成り立っています。我々は当たり前にこの現実を享受していますが、これは不自由な世界です。
Ethereumが基盤になったインターネットの世界では、自分のデータは自分で所有し、自分の意思でサービスに提供し適切なサービスを享受する選択肢を持つことができ、トラストレスな世界が実現できます。
そうなると、あらゆるサービスの運用コストが下がりサービスの質向上にお金を掛けることができるのでサービスのレベルも高まっていきます。今はその開発途中にいて、その世界ができあがっていくのを見ることができると考えると非常に感慨深いですね
Ethereumのスケーラビリティはサイドチェーンが解決する
1つの巨大なスーパーコンピューターで、インターネット上で最も人気のゲームとソーシャルアプリ100種類を実行しようとするのは馬鹿げたことです。同じように、近い将来1つのブロックチェーン上で世界中の分散型アプリケーションすべてが動作すると想定するのは妄想です。
スケーラビリティの解決策として、サイドチェーンの技術があります。サイドチェーンは、セキュリティを犠牲にすることなく高いスケーラビリティを提供してくれます。
サイドチェーンは非常に高いTPSや低いレイテンシが必要なdAppsに最適な異なるコンセンサスアルゴリズムを使用しスケーラビリティを確保しつつも、ハイレベルなセキュリティが必要なトークンやデータはEthereumブロックチェーン上に保存することになります。
こうすることで、サイドチェーンはメインのブロックチェーンよりも分散化されていないにも関わらず、メインチェーンが持つセキュリティを継承することができ、ユーザーからサイドチェーンを信用するトラストの量が最小化されます。
dAppを分散されたメインネットのサイドチェーン上に置くことで、分散されたベースレイヤーにより提供されるトラストと安全の保証は変わらず維持しつつも、より高速なブロックチェーンが提供する高いスケーラビリティのメリットが手に入ります。
実際、これはEthereumを作ったヴィタリック・ブテリンもこう言っています
ブロックチェーン上でStarCraftを動かすことはできる。こういった類のことは可能だ。高いレベルのセキュリティとスケーラビリティは、その他あらゆるものをその上に構築することを可能にする。イーサリアムは余計な機能を持たない安全なベースレイヤーなんだ。~ヴィタリック・ブテリン
EthereumはWeb3.0時台のつよつよインターネット基盤となる
Ethereumネットワークが持つ高度に分散化されたノード群は、最強のセキュリティをサイドチェーンに提供してくれます。そして、現在は$4,560の価値がネットワーク上に提供されています。
このネットワークをハッキングするインセンティブは大きいですが、Ethereumが誕生して6-7年の歳月が立ちましたが、そのネットワークは今も健全に動き続けています。(おそらく、多くの人々が試みているにも関わらず)セキュリティホールが見つからないまま時間が経てば経つほど、プラットフォームが安全で今後も悪用されることはない可能性が高くなっていきます。
基本的に、新しいブロックチェーンプラットフォームが登場した時、まだ「時の試練」に耐えていないので、開発者はブロックチェーンの使用を渋ることになります。
もし悪用が可能だったら?もし本当に分散されていなければどうする?これから2年かかるかもしれないのに、その上にDAppを構築するのになぜ自分の時間全てを投資しなければならない?なdいろいろ考えてしまいます。
ブロックチェーンが大きな悪用なしに長く生き残れば生き残るほど、それだけ開発者にとってより信頼できて選択するに合理的なものになっていきます。
結論としては、Ethereumは次世代インターネットの基盤として決して完璧ではないものの、現時点で分散型アプリケーション用のデファクトレイヤー1としてイーサリアムが置き換えられることは想像しがたいです。
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今週は@Permavatarです。
こちらはなんと、メルカリグループでメルコインを立ち上げて、そこでCrytpo事業、NFT事業とHRを担当されている、shingofushimi.ethさん、Origami時代からの盟友で爆速エンジニアのdongri.ethさんの制作されたフルオンチェーンNFTになります。日本ではイラスト系のNFTが流行っているのでフルオンチェーンNFTは珍しいのではないでしょうか。
制作に際し、とっても熱い思いを綴られており、**残り続けるモノを創り、フルオンチェーンが広まるきっかけになってほしい**とのことです。
現在mintすることもでき、まだ発行できるのでこちらで発行してみてください。
mint用URL:https://permavatar.com
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寿司職⼈の技術をNFT化した「SUSHI TOP SHOT」 音を使って配布|銀座渡利のプレスリリース
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音声透かしNFTの仕組みや可能性については以前にも紹介しているのでこちらを見ていただき、興味のある方はTwitter DMにてご連絡ください。
[Daily Topics]音声透かし × トークンの活用方法
[Daily Topics]SUSHI TOP SHOT, 音で寿司を届けるイベントの新しさを解説
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先日、iconeeのリリースが発表されました。これはアニメや漫画などに出てくるキャラクターのアイコンをNFT化して販売してくれるサービスです。もうすぐTwitter NFT認証機能が実装され、アイコンに設定できるNFTの価値が高まることが予想されるので、それに先んじたサービスになります。詳細はリンク先をご確認ください。
iconeeプロジェクト"2nd member"募集!【Twitter - NFTアイコンメーカーiconee】
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[Daily Topics]Q&Aで理解するはじめての「DAO」
チームは分散型で運営されていますが、参加者のモチベーションがフルMAXなので、開発速度が爆速で毎日驚きに満ちています。自分に何かできることあるかなという方も「DAO」で開発されるサービスを一度見に来てもらえると「Web3.0」の世界感を感じでもらえるのではないかなと思います。ぜひ遊びに来てみてください。
メンバー希望、Discord覗いてみようかなという方:https://discord.gg/CwxSSVxD8R
コンテンツホルダーの方:https://iconee.io/lp/ より問い合わせください。
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すごいぞAnifty!国内でGas代の掛からないサービスは始めてなんじゃないでしょうか。
ゲームでスパイ行為と賠償請求が発生しているのがGameFiって感じがしてすごいことになってます
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はい、本日は以上になります。
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