#202 Substack
Web3.0本、回収になっちゃいましたね。最近Web3.0への憎しみを感じるので界隈が息苦しいです。今日はネタ回です。
前回記事:
解説ラジオ:ラジオで聞くならこちら
上から最新記事です。
本日のメイントピック
インプレス:書籍「いちばんやさしいWeb3の教本 人気講師が教えるNFT、DAO、DeFiが織りなす新世界」の回収について
Web3.0本の内容が間違っているとして、炎上し回収騒ぎへと発展してしまいました。内容に明らかな誤りがあるということでインターネットを愛する正義の心を持つ方々の逆鱗に触れてしまったようです。ひどい投稿は著者の人格否定まで行っており、明らかに行き過ぎです。
上げ相場であれば、こういった話も界隈の熱狂にかき消されてしまうものですが、下げ相場においてはTwitter上の投稿も減り叩きやすいタイミングでした。
また、最近の界隈にはWeb3.0か?という意識高い話や、オンラインサロンの名前を変えただけのなんちゃってDAOが溢れかえっています。正直、自分も〇〇DAOを名乗るオンラインサロンのリブランディングは嫌いです。一言物申したい人も増えていたタイミングでの書籍での誤りはきっかけに過ぎず、アンチWeb3.0界隈に溜まっていた憎しみや不満を爆発させる引き金となってしまいました。
私も現在進行系で編集者さんと本を書いているので、身が引き締まる思いです。本を書き始めた動機が、しこたま説明した後の上長に言われる「これまとまってる本ないの?」がイラッとするので自分で書き始めた、というあまり褒められた動機ではありません。
そのため、下書きの随所に怒りを読み取れる言葉が並ぶのですが、編集者さんを介して直された文章が返ってくると伝えたいことはそのままに、聖人が書いたような文章になっていて、出版社さんとちゃんと本を出すってこういうことなんだなと学んでいます。
自戒の念も込めた本件に関する個人的な感想としては以下です。
内容に誤りがないよう、検証とリサーチは徹底して然るべき
それでも内容に誤りがあった → Web3.0領域は広範かつ進化が早く、ミスゼロは難しい。謝罪して切り替えてこ。
批判は歓迎。人格否定はNo Thankyou。
チャレンジすることは素晴らしい。一度の間違いで再起不能になるまで叩くことはない。チャレンジもしていない、謎の正義マンは弾け飛んでok
本件をきっかけに、また界隈の雰囲気が変わったな感があります。
「Web3.0」というコトバは死んだ
本件が起こるまでは「Web3.0」というと新しくてかっこよさげな印象がありましたが、今はもうすでに「Web3.0(笑)」になってしまいましたね。
AIやDX、メタバースが流行ったのと同じ感じです。概念に名前をつけてマーケティングが捗るものなので致し方ない面もありますが、Web3.0は広がりすぎて間違った概念や情報が界隈に溢れすぎました。
日本のWeb3.0はイコールNFTの様相を呈しています。
筆者の経験としても、当時の上司や偉い人が、「これからはメタバースや!」と頭空っぽ発言をし始め大いに迷惑を被りました。メタバースというコトバが一人歩きをしすぎたせいであらゆるものがメタバースと紐付けされこのようなミームも生まれました
メタバースの踏み絵に使えるミーム画像
今こそ、メタバースミームのWeb3.0Verが必要ですね。適当に作って起きました。追加したいものがあったらコメントください。
イケハヤ氏オチで使ってすまん。
Web3.0でやりたかったことはなんなのか
Web3.0は世間一般で語られるような高尚なものではない認識を持っています。自分の感覚では「今のインターネットをもっと良くしようというムーブメント」です。
1, 2, 3, とナンバリングをすると2が1よりも、3が2よりも優れているように感じますが、それは勘違いです。Web3.0はWeb2.0をバカにするためのコトバではありません。
この思い違いによりWeb3.0からWeb2.0へのマウンティングが発生し、ヘイトが貯まる構造になっています。
非中央集権でGAFAを倒すって思想は2018年ぐらいに一周回って死滅したと思っていましたが、最近になってまた復活していたみたいです。みんなそんなにGAFA嫌いなんですね。Google便利なのに。
もともとのWeb3.0はサイファーパンクの思想を受け継いだプライバシーを守って独立性を保とうとする流れの中にあるものです。この思想が、Web2.0が発展しデータが企業や国家に握られている現状に不満を持つ層には耳障りがよく、打倒GAFAといった話に飛躍しがちです。
悪を定義した正義の戦いは中二病の心をくすぐるものです。ここにアンチテーゼ的な考えが潜んでいます。だって、かっこいいじゃないですか。私もスーパーヒーロー大好きです。
悪を倒すためにヒーローが使っている武器がCryptoでした。
Bitcoinは国家に管理されない通貨を目指し開発し、Uniswapは取引所に頼らない通貨swapの仕組みを開発しました。
そこにトークンの概念が入り込むことで資産性が生まれ、Web3.0にお金の話が付随するようになります。Web3.0を知ろうとした時に、資産性と思想は切り離して考えなければなりません。
なぜこうなるのか?
インターネットによく落ちているコミュニティの一生と同じであると思っています。
初期:面白い人が面白いことを書く
中期:面白くない人が面白いものを見に来る
終末期:面白くない人が面白くないものを書き始める
主語のデカイヘイトが貯まりなにかをきっかけに爆発する
以下は仮説です。
知的レベルの低い人間の参入は、コミュニティの宗教家を引き起こす。
思考レベルと経験がないためにコミュニティの中心にいる人の意見を絶対であると考える思考停止状態に移行し、異を唱えると浮くためコミュニティの大多数の意見に従うようになる。
賢い人はこの時点でコミュニティを抜けて違う世界の論理で生きていくことができるのでコミュニティはより煮詰まってしまう。
このサイクルは新陳代謝の早いWeb3界隈ではよくあることであるが、国や会社などでも新陳代謝が低いだけでゆっくりと同じような流れの中にあるように感じています。
つまり、TOPが存在するコミュニティでは人々は思考することをやめてしまう。ってことかなと。
今回のことがなければ、思考停止でWeb3.0を礼賛する人の数は増え、そのうち、毎朝決まった時間にBitcoinノードをモスクに見立てて礼拝するようになっていたでしょう。
これは個人的な意見ですが、市場に流通しているほとんどのNFTにおいてはクリエイターが生み出した「うんこ」であると考えています。うんこを資産と見せるマーケティングが先行し、うんこを美味しいと食える信者だけが幸せになれる教祖(クリエイター)と信徒(コレクター)の関係性です。
1/1のNFTアートを購入し、2次流通できないと騒いでいる層は投資に失敗しただけであり、そう考えてしまうこと自体が信者力が足りないか、1/1の作品に対する愛が足りていないのです。自分が信じられないうんこに手を出してしまっているのに、その責任を他者に押し付けるのは筋違いです。
disっているように聞こえたら申し訳ないが私も何人かのうんこを喰っている身分です。たまにとてもkawaiiうんこもいます。美味しいです。はい。
「うんこ」という表現は絶対に適切ではないが、投資や資産運用のブログやメディアで礼賛されるS&P500などの投資信託も同じで、信用の元が教祖から米国経済へ変わっただけに過ぎない。信じることは悪ではなく、考えることをやめることが悪なのである。
逆に、完全に分散化したプロトコルのコミュニティは様々な思想を持った人が多く、自分で考えているのではないかという仮説も持ちました。完全な肌感ですが、Bitcoinが好きな人のコミュニティはあっても、何か物事に対する意見が一致している現場を見たことがないです。
いつも議論してるので、自然と自浄作用が働く。そんな感じなのかなと。
完全に分散化したプロトコルを作るには数年掛かかります。いまDeFiやStablecoinプロジェクトは全て完全分散の道半ばでありほとんどのプロジェクトがWeb2.5です。
現在のWeb2.5ないし、なんちゃってWeb3.0はアンチWeb3.0の格好のネタになってしまうのは周知の通りです。
正しさを振りかざすマジメな頭をアホで解きほぐしたい
現時点のWeb3.0のインフラではCryptoガチ勢の性癖にぶっ刺さるプロダクトは作れても、世間一般のリアル世界に住む人々に刺さるプロダクトは作れない。
例えば、Nounsは素晴らしいプロジェクトですが、Web3.0の思想を学びきった人間にしか響きません。一般人がNounsのドット絵を欲しくてたまらない存在に感じるまでには長い道のりがあります。
STEPNもものすごく流行りましたが、一般層にまでは普及していません。「歩くだけで稼げる」というのはミームとしてそこそこ優秀ですが、資産性を訴求しすぎているので保守的な一般層からは詐欺としか移りません。
頭のいい人たちがトークンエコノミーを一生懸命考えたとしても、過去の事例がAxieやSTEPNを参考にしているのではエコノミーへの最初の参入インセンティブが「儲かる」を訴求するものになってしまいます。儲かるが最初にあってコミュニティに参加した人は、儲からなくなった瞬間にコミュニティから消えていってしまいます。当然、儲かっていないので悪態とそのコミュニティへのヘイトを大量に貯めた状態で去っていきます。これはコミュニティが再起しようとしたときの大きなガンとなります。
そのため、ここで提案したいのは「アホ」です。
アホはミームであると考えてください
図ではDOGEの柴犬を入れました。
DOGEのアイコンになった、柴犬のかぼすちゃんの画像はNFTとして販売され5億円で売れました。このNFTはただの柴犬の画像であり、アートとしての価値が高いものではありません。これに5億の価値が着くのはアホとしか思えません。
しかし、このアホみたいな出来事は世界的なニュースとなりました。
Cryptoプロジェクトの成長サイクルとして、以下のようなサイクルがありますが、アホを入り口にすることで価格高騰以外の話題でコミュニティ外への広告を作ることができるんじゃないの?というのが今回の論旨です。
■ 成長サイクル
【Pump】 :価格高騰がニュースになり市場への情報の露出量が増える
【Interest】 :ニュースに触れ、興味を持ったユーザーがBitcoinについて調べ始める
【Notice】 :Bitcoinの本質、他金融資産との比較を行い真の価値に気づく
【Fan】 :BTCを購入しファン化、コミュニティが拡大する
例を示しておかないとイメージが出来ないと思いますので、アホの例を示しておきます。
おれのジンベイザメ企画
私は家で熱帯魚を飼っています。ニモやタツノオトシゴが家にいるのですが、魚を飼っているとどうしても珍しい魚や大きな魚を飼いたくなります。
その中でも、最も飼いたいのが「ジンベイザメ」です。
しかし、一般的な家庭でジンベイザメの大水槽を持つことは不可能です。
そこで、NFTが登場します。
NFTは権利を売買することができます。美ら海水族館や海遊館のような水族館がジンベイザメの所有権をNFTとして販売してくれればジンベイザメを所有することが出来ます。
所有権は分割できるので1日所有権でも良いかもしれません。
それができると何ができるようになるか。
「おれのジンベイザメ」って言えるんですよ
「このMTG終わったら、おれのジンベイザメ見に沖縄行きません?」
「いまおれのジンベイザメ海遊館に来てるんで見てきません?」
とか、言えるわけですよ。めちゃくちゃおもしろい。
冗談でなく、言い続けていたらそのうち実現されるでしょう。過去に一度マジメに考えてみたこともあります。
これは多くの共感を得られるものではないかもしれませんが、私のやってみたいことです。
年末年始の風物詩、電子マグロオークション企画
年末年始に毎年すしざんまいの社長が初競りマグロを億超えで購入していくことが話題になりますが、そのフォーマットだけを切り取ってNFT化された電子マグロを年始に初競りオークションに掛けてもいいじゃない。という企画
これはすでにやってことがあって、結果80万円で落札されました。無から生み出された電子データのマグロが80万円で売れたことはすごいことですが、今年のリアルマグロは1,688万円であったので、惜しくも1,600万円届きませんでした。残念。
こういった企画は毎年やっていくことに価値があると思うので、いつかYahooニュースに「電子マグロがリアルマグロを超える?!」という見出しが出るまで続けたいと思います。
以下、電子マグロオークション概要
痩せる権利を売る企画
ジムで初回体験無料券がよく配布されていますが、これを「1キロ痩せる権利」がついたNFTとして販売するだけでマーケティング的に使うことができる。
資金調達もできるし、「おまえ最近太り過ぎだからこれで1キロ痩せてこいよ」と友達にナチュラルに悪口を言える。
1キロを消費するには何キロカロリー消費せなあかんからなんとなく計算できるはずです。
ジンベイザメに比べれば、個人的にはそれほど欲しい権利ではないが、「お前最近太ってきたからこれで痩せてこいよ」と、おじさんが女の子に渡して嫌な顔されている所がシンプルに見たい。
リアルなメリットとしては、資金調達と流動性の強化でしょうか。
1キロ痩せる権利を先に販売するわけなので、お客さんが来店する前に売上が経ちます。また、「1キロ痩せる権利付きの本」「1キロ痩せる権利付きの服」とかが生まれると面白いですよね。体験する権利の流動性が高まったことによってできるようになった変化です。
1キロ痩せる権利、なにそれ?となり、NFTの普及に繋がることになるでしょう。
郷ひろみ2億4千万個のNFT配布企画
世代は異なるのですが、私は郷ひろみが大好き。カラオケではだいたい2億4千万の瞳を歌います。エキゾチック・ジャパンの部分が最高に気持ちいい。
そんな郷ひろみさんに2億4千万の瞳を歌いながら、2億4千万のNFTを配ってもらいたい。NFTは1人で何個でもGet出来てしまうものですが、日本人口は1.2億人なので1人で何個もGetしてしまうともらえない方も出てきてしまいます、ここは涙を飲んで日本人限定1人2個までのルールとしましょう。
これにより、
「なんでにアメリカ人なのに郷ひろみ持ってんねーん」
「おまえ、郷ひろみ5つ持ってるとかめっちゃワルやん」
ってなります。草
また、MetamaskのWalletダウンロード数は世界全体で5,000万人らしいので、2億4千万のWalletを日本で配布すれば世界基準で見ても日本が最もWeb3.0が浸透している国になれます。
「Web3.0を国家戦略に」と最近政治家も言っているのですから、国家の支援が受けられることは間違いありません。
億を超えればギネス超えはもはや間違いなく、話題になることでNFTやWalletの普及は進むでしょう。
みんなのWeb3.0は終わり、俺のWeb3.0がやってくる
Web3.0に関する情報は溢れすぎた。「Web3.0ってこうだよね!」と言って褒められる時代はもう終わったのだ、やっている人間はこれからみんなアホと見なされるし発言に間違っている部分がないかアラを探されることになる。
相場が下がっていると「な?おれの言ったとおりだろ?」と言いたい預言者が叩きやすく、初心者がTwitterから退場するため声が通りやすくなる。
そんな世の中は生きにくし、つまらない。
Web3.0は界隈で語られているような、高尚なものではありません。kawaii柴犬の画像が5億で売れたらしいぜ、とか。おれのジンベイザメ見に沖縄行こうぜ、とか。お前郷ひろみのNFT3つ持ってんじゃん極悪人だな!とかケタケタ笑いながらアホなことをやるぐらいが今は丁度いいんです。
これは「今のインフラでは」という話なので、Walletやブロックチェーン自体の性能が上がってくればさらにできることが増えるのでマジメなちゃんと公共に利益に資するプロジェクトが出てくると思われます。それまでの間はアホをやっていた方が楽しく資産性を除いたWeb3.0の思想を広められると思います。
また、「アホなこと」の例をいくつか示しましたが、全然おもしろくないやん。と思った方も当然いらっしゃるかと思います。その方はこのメルマガを書いている私とは趣味趣向が合わないマッチング対象者ではなかったということです。
NFTはマッチングアプリです。NFTは考え方が近く、好きなものが同じ人を繋ぎ合わせる踏み絵として機能させることができます。おもしろいと感じる人は、アホを実現するための祭りに入ってもらえれば良いし、感じない人は自分がおもしろいと思うアホな企画を別のコミュニティで実現すれば良い話です。
以上を踏まえまして、賢そうな感じでWeb3.0を語るよりも「アホな企画をマジでやる」方が楽しいんじゃないの?説をご提案させていただきました。
本日は以上です。
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このメルマガの内容を解説するラジオを始めました。テキストよりラジオのほうが情報に接しやすい方もいらっしゃるでしょう、ということでメルマガの内容をのぶがめいに説明する形でやっています。stand.fmってアプリでやってましたが、サービスがWeb2すぎるのでPodcastに変更しました。模索中です。
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