「スシスワが マジでイケてて トライデント」どうも@nobu_meiです。
After ‘7/20’ social media campaign, Sushi reveals all-in-one AMM ‘Trident
Sushiswapから7/20に大きなUpdateがあると運営チームから予告されていた件がやっと公開されました。発表内容はSushiswapの新しいUpdate【TRIDENT】の発表でした。公開されたのが日本時間の9頃だったので、夜だったのですが記事を読むとUpdate内容がすごすぎてテンション上がって眠れなくなるレベルだったので今日はこちらを紹介します
Sushiswap Update「TRIDENT」の概要
Updateの概要を簡単に説明すると、AMM型のDEXとしてUniswapを超えていく世界最強のDEXを目指していくよ。というUpdate内容になっています
Sushiswapは元々、Uniswapのコピープロトコルとして誕生し、UniswapがV3によって集中流動性プールを用意してAMM型のDEXとして深さを増していく反面、SushiswapはMISOやSHOWYOUなどコミュニティに根ざしたコミュニティドリブンな戦略を取ってきていましたが、今回のUpdateではDEXとしてのそもそもの機能を大幅に強化していくという発表になっていました
パリで開催されたEthereum Community Conferenceに登壇したSushiのCTOであるJoseph Delongによる発表をまとめると以下のような感じです。
Tridentは現在のSushiSwapの恒常的な流動性プールに加え、3つの新しい流動性プールを提供する
4つのプールは「Tines」によって自動でマッチングされ、最も効率的なスワップを実現する
指値注文や、プールのデプロイ担当者がガスを節約する機能を実装する
4つのAMMはBentoBox上に構築され、未使用の流動性プールの資金効率が向上される見込み
機関投資家が使えるようKYCに対応できる設計になっており、Aave Proなどを補完する可能性がある
Uniswap V3同様、流動性提供者にはNFTが付与される
Tridentの開始日は決まっていないものの、ユーザーは「30日以上、60日以内」に開始される
この発表を受けての感想を述べると、完全にUniswapを超えに来ているな。という感想です。自分はUniswap内の開発者だったとすると自分たちのコピーからこんな発表をされてしまうと気が気じゃないです。
もはや、SushiはUniのコピーではなくなりました。これからは「SushiはUniのコピーなんだろ?ハハ」なんて言った日には「いつの話をしてるんだ?」状態になりそうです。事実、Delong氏の発表によると、「Tridentの実装は完全にコードを一から書き直したものである」と述べており、コピーではないことが伺えます。しかも、2ヶ月以内に実装されるのですからほぼコードは書き上がっていると見るべきです。すごすぎます。
提供される3つの新しい流動性プール
提供される新しい流動性プールは
Curveに似た安定コインなどの同種資産を効率的に交換できるハイブリッドプール
Uniswap v3が提供する機能に似た集中流動性プール
Balancerに似た加重プール
と発表されており、あらゆるDEXのいいとこ取りを目指しており、完成すれば全てのDEXの上位互換となりそうです。これら3つの流動性プールに加え、今までのSushiswapのプールを加え4つのプールをTinesが管理し自動で最高効率のプールにリバランスしてくれるという意味だと受取りました
Tinesってのは調べたらフォークとか串みたいな意味っぽいです。この命名トライデントに掛かってそうです
Tine:【名】 〔フォーク・くしなどの〕歯 〔鹿の〕枝角【発音】táin【カナ】タイン
Tinesは、ガス料金と流動性の両方を考慮し、"水平 "と "垂直 "の両方のルーティングが可能で、Delong氏はこれを "マルチルートとマルチホップ "と呼んでいる。マルチルートとは、1inchと同様に、ルーティングエンジンが複数のプールを経由してリターンの減少を緩和することであり、マルチホップとは、同様のことを実現するためにアセット間を行き来することを意味します。
個人的に「???」となったのは以下の部分です。自分もまだまだ勉強が足りないようです。
トレーダーを惹きつける広い網に加えて、Tridentは流動性プロバイダーにも魅力的なインセンティブを提供します。Tridentは、BentoBoxのベースレイヤーの「ネイティブアプリケーション」です。BentoBoxは、預かったトークンの80%以上が未使用のままではなく、イールドベアリング戦略に使用できる大規模なプールです。Delongは、指値注文に使われている流動性も、トレーダーが設定した価格が届くのを待っている間は、イールドベアリングとして利用できると述べています。
指値注文している間にLockしている資金が増えるという意味に聞こえます。「指値注文中もお金が増える」という簡単なメッセージ性は分かりやすくSushiswapの凄さ伝えられるのでかなり革新的だと思います。
そして、流動性提供者にはNFTが付与されます。
流動性提供者のポジションはERC-721ではなくERC-1155で表現されることを明らかにしました。
これらが本当に実現するのであれば、眠っている資産は基本Sushiswapに入れておくという脳死戦略が最もうまくworkすることも有り得そうです
SushiswapがUniswapのコピーだった時代はもう終わる
SushiSwapは、Uniswapのフォークとして非常に物議を醸しながら登場しました。それから約半年後、このプロジェクトはDeFiプロトコルのトップ10の一つとして、またEthereumネットワークの分散型取引所の中では2番目に優れたものとして、兄貴分と真っ向から競い合っています
少しSushiの歴史を振り返って見ましょう
Vampire AttackからのChef Nomi事件での崩壊
SushiSwapは、2020年のDeFiサマーハイプの中で、Uniswapのフォークから生まれ、Chef Nomiというペンネームで活動する匿名の人物によって始められました。
Sushiは初期の流動性を高めるために、Uniswapの流動性提供者に、SUSHIで支払われる追加報酬を使って、流動性提供者(LP)トークンをステークするよう強くインセンティブを与え、Uniswapから流動性を奪うための施策を展開します
この施策は、"vampire attack "または "vampire mining "と呼ばれました。吸血鬼ですね。コピープロジェクトのくせに吸血鬼されるとはUniswapからするとヘイトは高かったことでしょう。結果、2020年9月、Sushiは合計8億4000万ドルの流動性をUniswapからSushiSwapに移行させました。額がすごい。
Sushiswapが儲かるからと人が集まっていた矢先に、開発者のChef Nomiが自身の$SUSHIを売却して売り抜ける事件が発生します。額にして約1,400万ドルほどです。これにより、トークン価格は急落し、価格は50%近く下落しました。
当時、発行されたSUSHIの10%は開発用のファンドに割り当てられており、そのファンドをコントロールしているのはChef Nomiだけだった点がリスクでした。売ること自体に問題はないのですが、コミュニティ全体から怒りの声が上がります。Chef Nomiはこの時の行動を反省し売却分の$SUSHIを再購入したそうですが、コミュニティからの信頼を失い、最終的にはプロジェクトからの離脱を余儀なくされました
Sushiswapの運営はFTX取引所とAlameda ResearchファンドのCEOであるSam Bankman-Friedにプロジェクトの管理権を譲渡しています。このタイミングでBankman-Fried氏は管理者鍵の管理権を、コミュニティが選んだ9人が管理するマルチシグネチャー(複数の署名)ウォレットに移し、同じような過ちが起こるリスクを分散させます。
ここからSushiswapの快進撃が始まるのです
Uniswapと異なる戦略を取ってきたSushiswapの開発戦略
UniswapはV3でのUpdateで集中流動性提供の仕組みを提供するなど、AMM型のDEXとして正当進化していく形での戦略を取っていましたが、Sushiswapは異なる戦略を取っていました。先行者メリットを持っているUniswapにDEXとして正面から戦うことは難しいとしてのかしこい戦略だと思います
Sushiswapは過去様々な施策を驚くような開発速度で提供し続けコミュニティのユーザーを常に楽しませてくれていました。今日のメルマガはSushiswap贔屓すぎるので少しだけ紹介します
Sushi Bar
$SUSHIを所有し、プロトコルで発生するコミッションの一部を受け取りたいユーザーは、"Sushi Bar "にトークンを預けるだけでよい。トークンを預けるとSushiswapの取引手数料0.3%のうち0.05%が流動性提供者に支払われます。
これにより市場には買い圧力がかかり、取引量が多ければインフレを打ち消してSushiSwapの価格を維持することができます。SUSHIの最大発行枚数は2億5000万トークンです。2023年11月までにこの上限に達することが期待されています。
Onsen
Onsenは、比較的新しいトークンに流動性を提供することで、ユーザーに報酬を与えるシステムです
Onsenの「メニュー」に選ばれたトークンは、流動性提供のインセンティブとして、ブロックごとに指定された数のSUSHIトークンを受け取ることができます。Onsenに載るメリットは、プロジェクトがコミュニティに流動性提供のインセンティブを与える必要がなく、SUSHIがそれを代行してくれることです。
これにより、SushiSwap内での操作量が増加します。これにより、SushiSwapでの取引量が増加し、取引ごとの手数料が増加するため、Sushi Barにトークンを預けたSUSHIホルダーが受け取る利益も増加します。うーむ、かしこい。
BentoBox
BentoBoxは、リクイディティプロバイダーにリターンをもたらすトークンファンドです。Onsenとは異なり、この流動性はトークンのペア間の取引には使われません。BentoBoxはこの流動性を利用して融資を行い、コミュニティが事前に承認したさまざまな利益創出戦略に使用します。
トークンをBentoBoxに預けたユーザーは、年率換算したリターンを得ることができます。Sushiswap内の銀行のような仕組みが弁当と呼ばれているわけです
Kashi
Kashiは、BentoBoxの上に構築された証拠金取引の貸し出しと取引のプラットフォームです。これにより、誰もがパーソナライズされた、ガス効率の良い市場を作り、多種多様なDeFiトークン、ステーブルコイン、合成資産を貸し借りすることができます。
Miso
Misoはクラウドファンディングのような仕組みで誰でもプロジェクトを立ち上げてトークンを発行し資金調達をすることができます。これによりSushiSwapでの新しいプロジェクトの立ち上げプロセスを促進します。
MISOの上でSAKEが販売されており、おもしろいので以前、メルマガでも書かせてもらっています
[Daily Topics]MISOでSAKEが買えるようになった話
SHOWYOU(醤油)
Sushiswapが開発するNFTマーケットプレイスです。デザインが公開されていますが結構かっこいいです。まだ公開されていませんが、寿司を醤油につけるとうまくなるのは必然なので、きっとおもしろいものが出てくるでしょう
Sushiswap vs Uniswapの構造と未来予測
個人的な感想だけを述べると、Sushiswapが将来的に勝つのではと思っています。真面目な理由としてはSushiチームの開発速度とコミュニティドリブンなプロダクト提供をしているからです。
不真面目な理由としては「Sushiという一見ネタっぽいプロトコルが世界標準になった方がおもしろいから」です笑。ふざけた理由だと思いますが結構こう思っている人は多いようにも思います。
真面目な理由のコミュニティドリブンであることの重要性を補足する情報として、米国の個人間送金AppであるVenmoとCash Appのシェア争いが参考になります。米国ではお金を送金することを「Venmoする」と動詞化しているとも聞くのですが、シェア的にはCash AppがVenmoを抜いています。
端的に理由を説明するとVenmoとCash Appの戦略の違いで、Venmoがお金を持っているエリート層、Cash Appが低所得者層をターゲットとしていた点です。Cash Appは低所得者のコミュニティに浸透していくためにコミュニティドリブンな戦略を展開しました。アメリカといえばラップのようなポップカルチャーですが、オリコンに入ってくる楽曲の中の歌詞に「Cash App」という単語がやたらと出てくるほどに浸透しており「Cash Appはオレたちのカルチャーだ」と言わしめるほどに浸透していると聞いています。このへんの話はUniswap vs Sushiswapに通じる部分があり未来を予測する上では参考にすべき情報かと思っています。
過去メルマガでも取り上げているのでぜひ見ていただきたいです
[Daily Topics]Cash Appの事例に見るカルチャーフィットの重要性
最後に、「(シャリが)白いほうが勝つわ」ニュータイプのララァも言っています。Sushiが勝ちます。
はい、本日は以上になります。Substackは意外といいねとコメントが来ないのでお手すきの際に是非お願いします。反応があるとシンプルにやる気が出ます
匿名で質問とコメントが書ける【**質問箱】**をを用意したので、メルマガで書いて欲しいネタや疑問点があれば投げてみてください。