#80 Substack
最近朝起きれなくて0930配信が遅れがちです。どうも、@nobu_meiです。
This newsletter is now being translated into English on the same day. I'm really grateful for the instant translation! Yesterday's article: Poly Network, DeFi's Largest Ever Hack Victim of $60 Billion
Cryptoイノベーションを阻害する暗号資産税制, 水面下での戦い
米インフラ法案財源、仮想通貨の取引監視強化で3兆円税収を見込む
アメリカにて、暗号通貨取引から税金を徴収するための法案整備が進んでいます
議会上院が10日、1兆ドル(約110兆円)規模の超党派インフラ投資法案を可決した。財源の一つに位置づけるのが暗号資産(仮想通貨)取引に対する課税だ。今後10年間で280億ドル(約3兆円)の税収を見込む。課税強化に向けて、規制・監督体制の整備が進みそうだ。
法案内では、内国歳入庁(IRS)は仮想通貨を「財産」と見なしており、売買によってキャピタルゲインを得た場合、課税対象とすることが書かれており、税逃れの取り締まりを強化することが書いてあるようです。日本では仮想通貨が「資産」としては認められていないので大きな違いですね
これに対し、仮想通貨業界からの反発があり議論が紛糾しています。a16zなどのVCからも議会に提案書が提出されており、分散ネットワークの将来性と欠陥のある法案によってアメリカの国益を損なう結果になる可能性を示唆しています。
文面は短く簡潔なので、書いてあることを理解するためには前提知識が必要ですが、内容が知的だなと思いました。訳しておいたので気になったら見てみてください。
a16z, 米インフラ法案財源に対し、Cryptoイノベーションを阻害しない形の法律の提案書を送付
Cryptoに関する技術は紛れもないイノベーションですが、それを扱うために利益が出ないほどに税金が高かったり規制が厳しかったりすると「アメリカで」起業するスタートアップが激減してしまいます。「アメリカで」と書いたのは、熱量や能力のある優秀な人間は国境など関係なく働くことができるからで、特にパーミッションレスでトラストレスなCryptoの世界ではどこにいようともプロダクトを提供することができます
a16zらが提案書で書いている内容は、本来アメリカで起業し大量の税金を国に収めてくれるであろう次世代のGAFAに取って代わる存在が、規制逃れのために国外で起業してしまうことの機会損失を指摘するものです
傍からみているとアメリカの税制検討は比較的うまく言っているように見えます
日本の税制と検討具合
「2022年度税制改正に関する要望書」について | 一般社団法人 日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)
日本においては、仮想通貨の税金が高いことが取り沙汰されますが、業界団体のJCBAが自民党「予算・税制等に関する政策懇談会」に対して要望書を提出しています。要望の骨子としては以下
暗号資産取引にかかる利益への課税方法は、20%の申告分離課税とし、損失については翌年以降3年間、暗号資産に係る所得金額から繰越控除ができることを要望する。暗号資産デリバティブ取引についても同様とする。
よくある誤解で、仮想通貨で利益が出たら税金が55%だと言われますが、これは全員ではありません。税金が55%取られてしまうのは、所得金額の合計が4,000万円を超える人だけで+10%は住民税で誰でもかかる税金です
年収600万円の人が仮想通貨取引で300万円以上の利益を出し、900万円以上の所得を得たら超過分に対して33%の税金がかかります。これを誤解して「仮想通貨は税金が高い」と言う人がいますが、4,000万以上稼いでから言ってほしいです。まぁ実際、ややこしいですよね。
実際、日本の税金は各国と比べてみても高く複雑です。以下はJCBAがまとめた各国の税制比較表です。文字が細かいですが、**個人に対する税率を国別に比較すると、日本:45%、アメリカ:20%、イギリス:20%、フランス:30%**という感じで、日本が圧倒的に高い現状があります
JCBAが今回提出した要望書はこの税制改正を求めるもので、税率を一律20%、損益通算を可能にしてくれというものです。そのための数字的根拠として、昨日紹介した個人投資家へのアンケート結果を提出しています
アンケートの集計結果によると、84%が「2020年度の確定申告をしていない」、63%が「分離課税が導入されたら投資額を増やす」、90%が「分離課税が導入されたら毎年確定申告を行う」と回答したという。確定申告をしていない理由としては、年間利益が20万円以下(利確していないケースを含む)であったというものが最多だった。ー
https://coinpost.jp/?p=267560
「仮想通貨の税制改正で推定52%税収増も」JCBA・JVCEA、申告分離課税や繰越控除に関する共同要望書提出
個人的な感想としては、「8割が確定申告しなくていいぐらいしか利益出てないのに税制改正して税収増えんの?」という所で検討会の議員らも困惑するのではないでしょうか。
JCBAの要望書では、+52%の税収増で120億ほどの税収になると計算していますが、そもそもアンケートがガバガバなので計算の確からしさには疑問が残ります。(詳細はこちら)
シンプルに人口対比で考えて、アメリカ人口が3億人で税収3兆円、日本は1億人なので1兆円の税収増に繋がります!とでも言ったほうが政府に検討してみようかという動機を与えることができそうです
なお、2020年5月の「仮想通貨」⇒「暗号資産」へと改正された際の法施行までのスケジュールは以下のとおりで、規制検討部会の設置から2年後に施行されることになりました。税制の申告分離課税が施行されるとしても少なくとも2年先になりそうです。(遅いーーーー!!!)
2018年3月8日 研究会設置
12月21日 報告書
2019年3月15日 改正法案提出
5月31日 成立
2020年1月14日 政府令公表・パブコメ開始
2020年4月3日 パブコメ結果公表
2020年5月1日 施行
かくいう私も方針として、「一度買った暗闘資産は動かさない、利確しない」を徹底しており、含み益は増えていきますが利確はしません。税金が高いからです。毎年、累進課税の枠のギリギリまで利確して利益調整をするぐらいです。
暗号資産の価値はまだまだ過小評価されていると私自身は考えていますので、今は売らずに税制改正が行われるか、仕事をやめて所得がなくなった場合や老後に生活費として毎年330万円を税金10%で利確していけば良いぐらいに考えています
老後が先か、税制改正が先か、日本のチキンレースを首を長くして待っていましょう。
DeFiに対しての規制が入る可能性も
規制関連ではDeFiに関して規制が入る可能性も示唆されていました。規制が厳しいとアメリカから優秀なスタートアップが逃げていく話をしましたが、日本はすでに厳しいので優秀な人材は海外に法人を立て逃げ出した後、というのが現在のトレンドです。これ以上規制する可能性がある時点で愚行ですね。残念です
金融庁の中島淳一長官が「一般の人々が暗号資産(仮想通貨)に投資しやすくする必要があるかどうかは、慎重に検討する必要がある」と語ったことをブルームバーグが8月10日報じた。
金融庁人事に「デジタル・分散型金融企画室長」職 ←新長官が就任
暗号資産規制緩和に慎重姿勢、DeFi規制検討も、金融庁中島長官がメディア取材で | あたらしい経済
前にこんな記事も書いてます。
[Daily Topics]DeFiを規制することは国益を損なう愚行, 気づけよ国政
今日のネタ枠
真面目な話ばかりでもつまらないので息抜きにネタ枠を用意しています。
アメリカドルのFiatも変数13属性、発行数117億枚のコレクティブNFTと言える
日本の1万円札にも連番や透かしが入っていて偽札が作られないよう精巧に作られていますが、米ドルも同じです。この画像によると、13箇所に変数がそれぞれ仕込まれそれらの順列組み合わせで1枚しかない紙幣ができているとのことです。
似ているが複数要素を組み合わせることで1つしか無いものを表現する様子はさながらコレクティブルNFTです。このTweetは法定通貨も見方を変えるとコレクティブルであるという新しい視点を教えてくれます
関連トピック
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知っておくとHODL力が上がる話
はい、本日は以上になります。
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私も暗号資産に関する方針が同じ「利確しない」です。ただ、そのせいで暗号資産を使う機会がなくなり勿体ないとも思っています。何か良い方法はないのかと思うのですが。