自分のアイディアじゃないくせに「それ特許は?」って聞いてくるやつ、「特許鳥(とっきょちょう)」と名付けたい。はい、特許庁と掛けてみました、どうも@nobu_meiです。
This newsletter is now being translated into English on the same day. I'm really grateful for the instant translation! Yesterday's article: Ethereum's scarcity bombing Update, EIP-1559 Explained
大企業の特許主義 vs Crypto系OSSのオープンライセンス主義
会社に新しい事業アイディアやスタートアップを紹介するとまず最初に「それ特許は?」と聞いてくる特許鳥に出くわします。UniswapのようなCrypto系プロジェクトを見ている自分からすると、「もうそんな時代じゃないんだよなー」と思いながらそれを説明し始めると、それだけでMTG時間が終わるので黙ってアイディアを取り下げることがよくあります
今日はCrypto業界における特許やライセンスに関しての話と大企業の特許主義がいずれ対立するだろうという予測を書いてみたいと思います。
技術ではなくコミュニティが参入障壁になる時代がキテる
Cryptoの開発を見ていると、全てのソースコードは基本OSSになっていき、コミュニティの強さこそが参入障壁になっています。わかりやすいのがEthereumですね。EthereumはCryptoプロジェクトの中でもEthereumコミュニティは最大規模を誇り、日夜天才たちが研鑽しています。
そのEthereumを越えようと、草コインプロジェクトが「Next Ethereum!」「Ethereum Killer!」などと処理速度や性能の高さをアピールしてきた過去がありますが未だにEthereumを超えてきた事例がありません。先日Ethereumは誕生して6年が経ったのにです。コミュニティこそが価値だという話はこちらにも書いています。
[Daily Topics]次世代インターネット基盤Ethereum
性能では勝っているはずの「Next Ethereum(笑)」系のプロジェクトが勝てない要因としてすでに強大なコミュニティを代替えできないという点があります。特許をとっている内に少しでも早く製品化して使ってくれるユーザー数を増やした方が生き残れる時代が来ています。
特許取得は重要ですが、このような世の中のトレンドに対して、とりあえず特許出願してからプロダクトを作るかどうかを考える今の大企業のムーブは致命的にズレているように感じます。投資をする企業側やVCのヘッドが特許鳥の場合、資金調達をしようとするスタートアップも特許を取れと少なからざる圧力を投資先から受けることになる始末です。
公共性の高いサービスを止めてまで自社利益を追求する企業は悪魔に見えるよ
特許を取ることは悪いことではないのですが、もし特許侵害をしているかもしれないOSSプロジェクトが開発するプロダクトの公共性が高くコミュニティが巨大だった場合、一部要素が特許侵害していているからと言って企業が権利を行使することでコミュニティから倫理に欠ける行為として袋叩きにされる未来が想像できます。
例えば、Gitcoin[GTC] のような寄付型OSSプロジェクトが何らかの企業の特許を侵害しており、その企業が特許侵害を訴え「権利料」を要求した場合に、Gitcoinのコミュニティで影響力のある人物が「なんか、日本の〇〇とかいう大企業が特許侵害で訴えてきてくそウザいわ」的な発言をすればコミュニティの人間から企業が袋叩きに合うでしょう(想像です)
コールセンターはパンクし、SNSは荒らされ、炎上はニュースになるので企業側のレピュテーションリスクになりかねない爆弾になります。
このリスクを回避するのであれば、企業側から「Gitcoinさん、実はOSSで使ってる権利、実はウチが国際特許持ってるんやけど、ウチもGitcoin大好きやし権利主張しない代わりにコミュニティに無料提供してるって形にしてくれる?」っとしておくことでコミュニティからは「〇〇企業さんありがとう!」となりCSR活動的なものとしてコミュニティから企業が認知される事になります
これはあくまで予測ですが、特にCryptoの世界では特許が無意味になるのではないかと思っているのですが、皆さんどう思いますでしょうか。特にDeFi系のOSSゴリゴリプロトコルが特許を取ったという話しも聞かないのでご存知だったり意見があればコメントなどでご意見いただければと思います
Cryptoにおける権利の考え方
上記課題感をTokenLabの中でCoffeeさんやコンソメさん、はるか先生に当てて教えてもらったことですが、例えばUniswap v3などはソースコードに2年間のライセンスを掛けています
#171 Uniswap v3で実現される機能 / Mina のローンチとセール - Bspeak!
coffeeさんのメルマガを引用します
コピー耐性、ライセンス
またUniswapは、オープンソースという性質上、誰もが公開されたコードを使って独自のバージョンを作ることができます。実際にSushiSwapはUniswapをコピーし、本家を脅かすほど大きくなりました。 今回の Uniswap v3 では、BSL 1.1というライセンス形態になっていて、完全にコピーされないように保護されます。2年後にはこのライセンスは失効する予定ですが、Uniswapのガバナンストークン保有者が、これらのライセンスを調整することができ、延長される可能性もあります。 またガバナンスに関して言えば、v3はコアチームによる最後のメジャーアップデートとなり、ここから先はコミュニティに主導権を渡すことになります。 Uniswapが配布するグラント(助成金)も多く発表されていて、先週書いたTallyなど含めて23のプロジェクトに対して、合計$750,000相当が配布されています。このグラントの第2段も控えています。 財源だけでいえばEthereum財団よりも大きくなったUniswapですが、コミュニティにより自走する公共インフラの性質が増していくと思います。
そして、Uniswap[ユニスワップ] をパクってできたSushiSwap[準備中] もGPL3というライセンスを採用しています。
これは「自由に使ってもいいけど、使ったらそのプロジェクトもGPLライセンス適用してな」というやつです。
こちらの記事でも書きましたが、Sushiswapチームからすると、「おれたちのソースコード、パクっておれらよりも早く良いものが開発できるならパクってみろよ(強気)」ってことみたいです。誕生がパクリから生まれたプロジェクトがこのスタンスを取っているのはシビレますね、まぁそこが好きなんですが笑
[Daily Topics]Sushiswap7/20のUpdate「TRIDENT」がマジですごい!Uniswap vs Sushiswap論争に終止符が打たれる?!
結論、私は将来的に、特許は「行使できる権利」ではなく、それを最初に「思いついていた証明」としてある意味NFTのような存在になっていくのではないかなと思っています。そして、その権利を行使せずコミュニティに無償で貸し出している「わかってる企業」としてコミュニティから感謝されブランディングに繋がるような未来を妄想しています。
No more 特許鳥!!
関連トピック
基礎知識
運用方法
知っておくとHODL力が上がる話
今週のニュース
Stablecoin / CBDC
ステーブルコイン市場、2025年までに1兆ドル規模になるだろう=ブロックチェーン企業CEO | Cointelegraph | コインテレグラフ ジャパン
Stablecoinの市場予測が出てました。現在は111 Bドルほどの市場でUSDCが急速に勢力を伸ばしていますね。法定通貨担保型のStablecoinは発行体を信用する必要があるのがリスクですが、法定通貨担保型同士の合成資産Stablecoinができればそこそこ信頼できるのではと思っています。
その他
a16zのアンドリーセンとホロウィッツとcdixonは議員に対し、暗号資産のイノベーションを阻害しない形の法律の提案書を送りました
こういった動きをVCが率先して行う点、精神性が日本のかなり先を行っていると思います。訳してこのメルマガでも紹介したいと思っています
RUNE事件に学ぶ安易にTXを送信することの危険性 - DeFiで落ちてるお金を拾いたいブログ
よくわからないコントラクトにトランザクションを送金する行為に対して警鐘を鳴らす記事です。DeFi中級者以上はこのリスクを認識しておくべきだと思います。
vividot先生の記事は独自性があって良いですね。(ほめといたらなんかNFTくれないかな)
はい、本日は以上になります。
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珍しく同意できないポストだったのでコメント残します。
企業側が特許を侵害され、それを阻止しようとした企業がコミュニティから叩かれるまでは想像できますが、その後普通に訴訟起こして勝つと思います。
もし特許侵害してもコニュニティで炎上させて、企業側を悪に見せる方法が将来のスタンダードなのだとしたら、完全に間違ってますし、そうなるとは到底思えませんでした。
wtf is going. my comment is not displayed