Cash AppがVenmoを超えた戦略がso good
Cash AppがVenmoのkの検索数を超えたらしく、その戦略がCryptoにも応用できそうなので取り上げます
アメリカでは個人間送金する行為を「Venmoする」と言うほどにVenmoは浸透しているようですが、これを後発のCash Appが追い抜こうとしている点は非常に興味深いですね
決済アプリの個人間送金のネットワーク効果はハイパーローカルで、友達が使っているアプリでないと登録しない傾向にあるのは日本の決済アプリでも同様ですよね。創業メンバーは一緒に週末旅行する際にチェックを書かずにお金の分配をしたく、SMSを活用した送金を実現したかったようです
まずサービスの立ち上げのフォーカスポイントですが、VenmoはニューヨークはLAなど大都市をターゲット、Cash Appはアメリカ南部にフォーカスしていたそうです。Venmo⇒お金持ち、Cash App⇒その逆という対比構造ですね。Cash AppはVenmoに遅れて2013年にSquareの社内ハッカソンで作られたのでターゲットをずらす必要があったはずです
Venmoはお金持ちをターゲットとしたのとは対照的にCash Appは銀行口座を持っていない、低収入のコミュニティをターゲットとし、初期はアトランタなどで流りました。その頃から、Cash App利用者はメイン銀行口座をCash Appにしてユーザーは扱っていたそうです
このあたり、貧困層の方が銀行口座との関係性も薄く簡単に代替えできてしまいそうな想像はできますよね
そして、ここからのCash Appのの戦略が秀逸で、アメリカのポップカルチャーに根ざしたキャンペーンを行い低収入層の好きなコンテンツに寄り添ったマーケティングを始めました
Travis Scottと提携して$100Kの抽選キャンペーンを行ったり、2020年では若者に人気なセレブ(Megan Thee Stallion、Cardi B、Joe Rogan、eスポーツチーム)と提携。最近100 Thievesとキャッシュカードを作ったりしています
また、直接的にお金を配るキャンペーンも行っており、毎週金曜日(#CashAppFridays)ではCash Appへツイートする人達向けにお金を抽選で貰えるキャンペーンを始めています。その効果は一発のツイートで2万通以上の返信、12.5万人がタグ付けされるような力を持っており、TVよりも圧倒的に強い効果をもたらしていそうです
フィンテックの技術に、ストリートでよく見る「ドロップカルチャー」を導入したマーケティングが功を奏し、ラッパーのAmineさん:「Venmoは白人カルチャーのために作られているが、Cash Appは黒人カルチャーだ」と言わしめるほどです。
実際にCash Appはアメリカのポップカルチャーに入り込んだおかげでアメリカ全体で人気になり、200人以上のヒップホップアーティストは曲中に「Cash App」という歌詞が存在するというから驚きです
これにより、徐々にVenmoののシェアを奪い始めます。Cash AppとVenmoのアプリダウンロード数を見ると、Cash Appの方が早く伸びているのが分かります
Cash Appの事例からわかること
以上より、Cash AppはBottom層へのカルチャーフィットにより個人間送金のネットワーク効果を獲得して伸びていったことがわかります。Tech×Cultuerの話はCryptoにも応用が効きそうですよね
これらの事例を見ていて思うことは、toB向けよりもtoC向けの施策展開を早め圧倒的なユーザー基盤を構築することの重要性を感じます。プロダクトの社会普及は今までtoB⇒toCが普通でしたが、最近のWebサービスやプロダクトの流行り方は逆でtoC⇒遅れてtoBとなることが多いです
インターネットや物流が発展したことでtoBよりも意思決定の早いtoC層が早々にプロダクトを使い始め、時期遅れでtoB企業が完璧なプロダクトを出しても代替えしてくれない、そんな状況になっています
これからは圧倒的な人数的アドバンテージを持つtoCの低収入層に使ってもらえるサービス開発が求められます。そのための方法論として「文化に合わせる」という事例をCash Appは見せてくれました。非常に興味深いです
視点をCryptoに戻して見てみると、Ethereumはどこかのかの会社が運用しているわけでもなく、toCコミュニティが形成され開発が行われていますが、マスのBottom層へのカルチャーフィットはしていません。これが一般層の人間でも使えるように進化していくためにはもっと簡単に使えて、これはオレたちのものだと思ってもらえるようなグルーブ感が必要なんでしょうね
UniswapもDeFiの中で圧倒的なイノベーターとしての位置を確立していますが、カルチャーフィットで考えるとSushiswapの方がカルチャーにフィットしている人の数は多そうです。Uniswap勢は技術が好きだけどUniswap以上のものが生まれたら移り変わってしまうが、Sushi勢はそんなことはなく頑張ってSushiを盛り上げようとする。そんな文化が醸成されていると思います
この違いが今後のAMM競走にどう影響してくるのかはまだわかりませんが、おもしろいです。まだまだこれから始まる後発のプロジェクトでもUniswapを捲れる可能性があると考えるだけでもワクワクしますね
非常に示唆に富んだ事例だったと思います
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