#101 Substack
101回目のテーマはBlockchain Interoperabilityです。世の中はマルチチェーン対応とBridge開発に躍起になっています。
This newsletter is now being translated into English on the same day. I'm really grateful for the instant translation ! Yesterday's article: If you're looking for the next NFT, let's start with the DAO and get it down
ブロックチェーンの相互運用性
なぜBridgeが重要なのか、どのように設計されているのか、誰が橋を建設しているのか、そして将来の風景はどのようになるのかを説明する記事
このPolygonやSolanaなど、Ethereum以外のチェーンを使ったことのある人であれば、「Bridge」というコトバを聞いたことがあると思います。今日はそのBridge市場について素晴らしい解説記事が出ていたので私見を交えて、解説させていただきます。
ブロックチェーン同士は全然繋がってない
DAOやスマートコントラクトの誕生により、ブロックチェーンの可能性を伝え続けてきましたが、そのブロックチェーン同士は全く繋がっていません。
世の中に登場したばかりのインターネットも最初は国ごと、地域ごとに分断されており全く繋がっていなかったのと同様に、ブロックチェーンもお互いの規格などが異なるので現在単体では全く繋がっておりません。
BTCはBitcoinネットワーク上でしか使えないし、ETHはEthereum系のApp上でしか使えません。
インターネットの場合、それでは情報のやり取りができず大変不便なので、TCP/IPやwwwのような世界中の人が不自由なく通信するための世界規格が生まれていきました。Cryptoの世界でBridge、ブリッジと言っているものはその世界規格開発競争です。
今世界では100以上のパブリックブロックチェーンが稼働し、その上でそれぞれに独自のアプリケーション、ユーザー、地域、セキュリティモデルを持っています。この市場に異なるネットワーク間の相互運用性を持たせるBridgeの開発が求められており、DeFiサマー以降ブリッジ系プロジェクトが爆発的に増えました。紹介記事の把握しているところでは40以上の異なるブリッジプロジェクトがあるようです。
Bridgeの概要
抽象的なレベルでは、ブリッジは2つ以上のブロックチェーン間で情報を転送するシステムと定義できます。ここでいう「情報」とは、アセット、コントラクトコール、プルーフ、ステートなどを指します。ほとんどのBridgeにはいくつかの共通した要素があります。
オラクルの監視。通常、ソースチェーンの状態を監視する「オラクル」、「バリデーター」、「リレーヤー」のいずれかのアクターが存在する。
送信/中継。アクターがイベントをピックアップした後、送信元チェーンから送信先チェーンに情報を送信する必要がある。
チェック。モデルによっては、ソースチェーンを監視しているアクターが送信先に情報を中継するために、アクター間のコンセンサスが必要となる場合があります。
署名。アクターは、送信先チェーンに送信される情報に、個別に、あるいは閾値署名スキームの一部として、暗号署名を行う必要がある。
例として、BTCをWBTCに変換しEthereum上で使えるようにする工程を図示しましたが、Bridgeには他にも種類があります。
Bridgeの種類
資産のラップに特化したもの。
2つのチェーン間のBridgeで、先ほどオンBTC⇒WBTCのようなものです。2チェーン間のやり取りなので、構造が簡単な反面拡張性は高くありません。2-3以降のBridgeが成長してくるまでの繋ぎだと思っています
チェーン特化型
2つのチェーン間のBridgeなので、実装が比較的簡単で実装も早くなり資産を移転することを可能にしますが、この2つのチェーンに限定されます。
アプリケーション特化型
限定されたアプリケーション内での使用のみを目的としたBridge。特化しているのでコードが小さくて済み、アダプター形式で組み込みやすく設計されることが多いです。デメリットは、その機能を他のアプリケーションに拡張することが難しいことです。一長一短ですね。
一般化を目指すBridge
3のアダプター形式を複数のブロックチェーン間で情報を転送するために特別に設計されたプロトコルです
複雑さがゆえに、強力なネットワーク効果を得ることができますが、欠点はセキュリティと分散をトレードオフするデザインがあり、それがエコシステムに複雑な意図しない結果をもたらす可能性があることです。
実際にPoly Networkが650億円のハッキング被害にあいました。
この整理の仕方はさすがとしか言いようがないですね。
Bridgeのやり方による分類
Bridgeが何を橋渡ししているのか、の説明がこちらでしたが、Bridgeのやり方、セキュリティの中央集権具合によっても分類することができます。
要点としては、現時点において完璧なBridgeは存在しておらず、どのBridgeも要素をトレードオフしながら実装を進めているということです。
詳細も説明したいのですが、メルマガがパンパンになってしまうので、Substackでは割愛しておきます。
なぜBridgeが重要なのか、どのように設計されているのか、誰が橋を建設しているのか、そして将来の風景はどのようになるのかを説明する記事
Bridgeの課題
まず第一にセキュリティだと思われます。Bridgeしてラップされた資産を持っていたにも関わらずラップ元の暗号通貨が盗まれてしまったら今持っているラップ資産は電子ゴミになってしまいます。Polyのような事件が起こってしまう内は一般化までは程遠いと言わざるを得ません。
[Daily Topics]クロスチェーンPFのPoly Network, DeFi史上最大670億円のハッキング被害に、レスバトルの末無事奪還
犯人とPoly Networkのオンチェーン上でのレスバトルが話題になり、ネタかのように扱われていますが、金額がでかすぎるので笑い事ではありません。Bridgeのセキュリティの重要性を再認識する事件でした。
$600M盗られたPoly Network, 犯人に返還を求めるレスバトルを開始
また、記事中では他にこのような課題を上げており、全て納得です。
フィナリティとロールバック。確率的な最終性を持つチェーンにおいて、ブリッジはブロックの再編成やタイムバンディット攻撃をどのように説明しますか?例えば、PolkadotからEthereumに資金を送ったユーザーは、どちらかのチェーンが状態をロールバックした場合、どうなりますか?
NFTの送金と証明書。複数のチェーンにブリッジされたNFTについて、ブリッジはどのようにして実績を保持しますか?例えば、Ethereum、Flow、Solanaのマーケットプレイスで売買されたNFTがあった場合、所有権の記録はどのようにそれら全ての取引と所有者を説明するのでしょうか?
ストレステスト。様々なブリッジデザインは、チェーンの混雑やプロトコル・ネットワークレベルの攻撃を受けた際にどのように機能するのか?
Bridgeの未来
図でも示したように、Bridgeを提供しようとするプロジェクトが乱立し競争は激化する一方ですが、開発者は、市場投入までの時間よりもセキュリティを優先させるという規律を守る必要があります。
理想的な状態は、すべてに均質なブリッジを提供することですが、突然唯一の「ベスト」なブリッジデザインは誕生しません。Bridgeのタイプとしては、不完全なインフラ不完全な技術でいきなりマルチチェーン対応のBridgeを構築するよりも、まずはチェーン特化、アプリケーション特化のBridgeから始め、モジュール化したアダプターを広げていく戦略がworkしそうです。
さらに、最高のブリッジとは、最も安全で、相互接続され、高速で、資本効率が良く、コスト効率が良く、検閲に強いものです。UniswapにSECの監査が入ることが話題になっていましたが、いずれ巨大化したBridge開発企業にも監査が入ることになるでしょう。それまでに分散化しておく必要があります。
分散性は、「ブロックチェーンのインターネット」というビジョンを実現するためには、最大限に活用する必要があります。
まだ、最適なBridge手法は確立されていませんが、記事中では今後の開発の方向性についてもコメントがありました。DeepLしておきます。
DeFi保険が発展していくことでBridgeを利用するハードルが下げられる可能性がある点は良いですね。
Brid研究開発のための興味深い方向性
ヘッダー検証のコストを下げる。ライトクライアント型のブロック検証にはコストがかかるため、そのコストを削減する方法を見つけることで、完全に一般化された信頼性の高い相互運用性に近づくことができます。興味深いデザインとして、L2にブリッジすることでコストを削減することができます。例えば、zkSyncにTendermintライトクライアントを実装するなどです。
トラステッドモデルからボンデッドモデルへの移行。ボンデッドバリデータは資本効率がはるかに悪いが、「社会契約」は数十億ドルのユーザー資金を確保するための危険なメカニズムである。さらに、派手な閾値署名スキームは、これらのシステムの信頼性を意味なく低下させるものではありません。歌い手のグループだからといって、信頼できる第三者であるという事実は消えません。担保がなければ、ユーザーは事実上、自分の資産を外部のカストディアンに引き渡すことになります。
保障付きモデルから保険付きモデルへ。お金を失うことは悪いUXです。保釈されたバリデータやリレイアは悪意のある行動を抑制しますが、プロトコルはさらに一歩進んで、削減された資金を使ってユーザーに直接払い戻しを行うべきです。
流動性ネットワークのための流動性の拡張。流動性ネットワークは資産移転の最速の架け橋であることは間違いないが、信頼性と流動性の間には興味深い設計上のトレードオフがある。例えば、流動性ネットワークは、ボンドバリデータ形式のモデルで資本供給をアウトソースすることが可能であり、ルーターはボンドリクイディティを持つスレッショルドマルチシグにすることもできます。
これまではBitcoinやEthereumが1つの細胞として成長してきたのがこれまでで、Bridgeの誕生によりお互いの経済圏を相互に行き交いながら相乗効果で成長していくことに期待しています。
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今週は@kujira941さんです。3DオブジェクトのNFTなのですが、マウスオーバーすることでグリグリ動かすことができて楽しいです。(Substack上はviewerが対応していないのでOpenseaへGO!)
ペイント3Dでつくったものを3Dオブジェクトとして発行しているらしく、3Dを動画撮影したNFTとはまた違った良さがありますね。なにより自分で触って楽しいものは体験としてso goodです。
Openseaでみるならこちら(SubstackはOpenseaリンクがしぬのでベタ貼りします)
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OpenSea bug destroys $100,000 worth of NFTs, including historical ENS name
世界最大のOpensea様もバグがあるんですね。10万ドル相当のNFTがburnアドレスに送られてしまったようです。(おそろしい。。。)
Unicask, ウィスキーを樽で購入。小口での分散所有も可能
これ超好きです。ウィスキーを樽で購入するのですが、樽は高いので小口で購入できるようにNFTとして販売してくれるサービスが始まります。
実は以前、ウィスキー投資をしようと考えたことがあり投資先を探したのですが、日本にはサービスを提供している会社がなくイギリスにしかありませんでした。やってみようと送金コストなど調べては見たのですが、国際送金が高すぎて確実にマイナスがでるので諦めた経緯があります。
いつか出るだろうと思っていましたが、ついに登場します。参加待ったなしです。
「The Sevens」というコレクタブルNFTで、1個人ユーザー(1ethSHOPさん)が全供給量の7分の1を買い占めた一連の騒動の流れ | NFT買い占め事件
NFT買い占め事件がありました。儲かるからと言って、ほとんどのNFTを自分が所有してしまっては価値も下がってしまいそうですね。
こういうのは熱いので好き。
Hashhubのレポートです。最近、会社の偉い人も「メタバース」と連呼するようになってきました。最近、なんでもメタバースと言われ始めたのでまずこの記事を読ませたいのと、自分に聞かれたら「どれですか?」って聞くためのシートだけ常備しています。
DeFi
dydxの大型給付金でTLが沸いていましたが、その理由ややり方などが丁寧に解説されておりおすすめです。ちなみに、自分はこういうのやらないタイプです。めんどくさいですし、GOXのリスクもある上、そんな事しなくても放っておけば市場は成長し億れるからです。
「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」(第1回)議事録:金融庁
以前、SECによるアメリカの規制の話を書きましたが、日本でも偉い人達による規制検討会が発足し第一回が行われています。一回目は挨拶がメインではありましたが、2回目以降の話は注目です。
DeFiの税金・損益計算について|確定申告を行うために必要なこと | Aerial Partners
もう9月なので、そろそろ考えておくんだぞー
はい、本日は以上になります。
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