#168 Substack
結構ニュース多いけど、なにを取り上げるべきか悩む
前回記事:[Daily Topics]Kaleido, 広告枠をNFT化して販売する実証実験を開始
解説ラジオ:ラジオで聞くならこちら
English ver:英語訳してくれていた方が電通に転職されてしまったのでHelpfulです
This newsletter is now being translated into English on the same day. I'm really grateful for the instant translation !
本日のサマリ
渡辺創太さんが開発するAstar Networkがついにローンチしました。とってもおめでたいです。ローンチ早々、時価総額2000億円を超え余裕のユニコーン上場です。すごすぎる。Web3業界で最も輝いている日本人ナノではないでしょうか。同じ日本人として応援せざるを得ません。
ちゃんとメルマガでも取り上げなければと思い筆を取りました。
Astar Networkとはなにか、解決したい課題とは
Asterではなく、Astarです。よく間違えている方がいるのでWeb3の⭐=starと覚えましょう。
AstarはWeb3の基幹インフラを構築することを目指すPolkadot上に構築されるL1ブロックチェーンです。現在のブロックチェーン同士はキレイに接続されておらず、Bridgeのような仕組みを使って擬似的に接続しているのが現状のため、資産の移動のたびに手数料がかかったりGOXするリスクが存在する非常に使いにくいUXになっています。
この状態をブロックチェーン同士のインターオペラビリティが無い。と呼び、ブロックチェーンの課題として良くあげられる部分です。
インターオペラビリティ(Interoperability)とは「相互運用性」の意味です。難しい日本語ですが、お互いに互換性のある関係だと思っておけばよいです。
例えば、家電には様々な種類がありますが、コンセントは全部同じ形してますよね?コンセントが同じなので、一々コネクタなどを購入せずともすぐに家電が使える。これが相互運用性です。
さらに例を重ねますが、日本のコンセントと米国のコンセントは形が違いますよね?これだと不便だから、全部同じにしたらええやん。というのがブロックチェーンの相互運用性の課題です。
(調べてみたけどありすぎー笑)
つまり、**このレイヤーが解決したいシンプルな課題はブロックチェーンごとにデータが分断されていると不便なので繋がっていたほうが良くね?**という部分です。
このプロトコルが出来上がれば、新しく作られたブロックチェーンが、トランザクションやメッセージをお互いに送信可能になります。この課題を解決しようとしているプロジェクトで有名なものがPolkadotとCosmosです。
相互運用性についての詳細はこちら:[Daily Topics]ブロックチェーンの相互運用性を解決するPolkadotとCOSMOSをざっくり理解する
AstarはPolkadot上で開発されるマルチチェーンのdAppsハブになっており、開発者はこの上でスマコンを書いてで自由にdappを作ることができます。Polkadotの仕組みの解説は省きますが、Polkadotにはリレーチェーンとパラチェーンという仕組みがあり、メインのリレーチェーンに繋がるためにはコミュニティからの投票によって選ばれた優秀なパラチェーンのみです。Astarは昨年行われたこの投票で見事コミュニティからの信用を勝ち取りパラチェーンとして接続することを許され、現在ローンチに至るわけです。
多くの日本人の起業家が日本国内でどう戦うかを考えているところ、グローバルでも勝てるプロダクトとコミュニティを構築し勝ってしまうのは「すごい」としか言いようがないです。語彙力がなさすぎて悲しいです。
さらに、Astarはこの開発を推奨するためのdApps Stakingというインセンティブを与えており「Build to Earn」を実現してる点が開発者にとって優しい設計になっています。
公式情報はホワイトペーパーや公式ブログ、Youtube動画をご参照ください。
Astar roadmap 2022 — Astar & Shiden Network
Astarローンチ後は、ASTRトークンが発行され、現在は複数の取引所で購入することができます。
Astarのなにがすごいのか
めんどくさいことを地道に確実にやってきたその実績と信念がすごいです。
2017−8年のちょうどAstarが開発を始めた頃、Crypto系のサービスを作ろうとするプロジェクトは早々にトークンを発行し、それをICOすることで資金調達して開発を始めることが当たり前でした。特に2020年ごろはPolkadot系PJが多数ICOしており、流れ的にはICOしていても可笑しくはなかったです。
プロジェクトが発行するトークンの配分は時代とともに移り変わりつつありますが、2017年当初はパブリックセールでほとんどを販売する方式が主流で、コミュニティへの配分を増やしチームや投資家へ配分する量を減らす動きは最近になってからです。
Ethereumですら、パブリックセールでほとんどのトークンを排出しています。
ですが、彼らはそれをやりませんでした。そこには彼らの「信念」があります。「Astar Networkは”Community Driven”である」「将来的にDAO化を目指す」というコアチームが初期から発している発言に信念が現れています。
多くのPJがICOする中でPublic向けはLockdropのみ、プロダクトは将来コミュニティのものになるのでチームや投資家の持ち分を極限まで減らした設計、しかしそれでも開発の資金は必要なので数々のGrantや有名所から調達して開発を行ってきていました。
その活動があったからこそ、今ローンチと同時に複数の取引所へのリストされる地盤が構築できています。少し目線を横にずらすと後発のプロジェクトが何億という資金をICOで稼いでいるのが見えたはずですし、そしてこれをあの長い冬の中でやっていた訳ですから、想像を絶する忍耐力と信念です。驚嘆に値します。正直すごすぎて、引いてます。未来からきたの?
ここからがスタートとは言え、ここまでこの形で漕ぎ着けたのは本当に凄すぎてヤバい。これほどの信念があったからこそAstarの文字通りのWeb3起業家の星になりつつあると思ってみています。
日本でやれなかった理由
そして、残念なお知らせではありますが、やっぱり日本でやりたかったよね。というのはあるみたいです。
もう、なにも言うまい。さらっと日経さんの記事のグラフィックを貼っておきます。日本でWeb3を本気でやろうとするとかなり難しい現実が立ちふさがっているようです。
そのあたりについてはこの記事で解説しました。
[Daily Topics]税制がイノベーションの芽を摘むお先真っ暗の日本市場を照らすAstar Networkの光
そういえば、$DEPも日本でのローンチが叶わず海外でプロジェクトを開始した背景を持つディープコインがbitpointに通貨を上場させていました。海外で成功させて、日本に上場させる初めてのパターンではないでしょうか。世界GameFi銘柄のTOP10位に入っていてもこれだけ苦労するのかという日本の規制の難しさがありますね。
日本初!DEP(ディープコイン)取扱い開始予定のお知らせ~取扱い開始記念!5つのキャンペーンも同時実施~
Astarはこれから
Astarはローンチされたばかりです、Staking報酬のUP祭りも開催されます。ASTRをお持ちの方は高い報酬をもらうチャンスです。後述するdApps Stakingの仕様によって開発者コミュニティも拡大していくことが予想されます。
dApps Stakingすごいよ
開発者はdApps Stakingを通して、Astarからベーシックインカムのような報酬を受け取ることができます。どういうことかというと、Astar Networkのブロック生成報酬の内40%がdApps Stakingに割り当てられており、そのうち50%がAstar上でdAppsを開発する開発者にASTRトークンとして支払われるためです。
Bitocinのマイニング報酬がライトニングネットワークを開発する開発者に分配されるようなものです。これにより、開発者はプロダクトが完成して収益を上げる前に報酬を受け取ることができるので生活の基盤が安定し開発に専念することができます。すごい仕組みですよね。
Astarはその特徴としてEtherumのEVM以外にWASMにも対応しており、より開発者にとって開発しやすい環境を構築している点も人が流れやすい構造になっていると思います。
また、この仕組は開発者以外でも利用することができ、Astar上でdApps Stakingしているページ一覧から「このプロジェクトええやん」というプロジェクトに対してStakingすることができます。応援Strakingですね。StakingしたdAppsが貢献して得た$ASTRをAPYとして受け取ることができるので、開発者でなくてもメリットがあります。
詳細なやり方などはこちらの記事が詳しく書いてありました。
Astar NetworkのDapp Stakingの凄さ. ※この記事はAstar… | by Realtakahashi Work | Jan, 2022 | Medium
本日は以上です。
関連トピック
規制
[Daily Topics]規制検討が進むDeFi領域、共通理解の醸成と各ステークホルダーが協力し合う文化と環境を作れるか
[Daily Topics]Opensea内部者NFT購入問題で露見する暗号資産取引におけるインサイダー問題について
[Daily Topics]そのNFT販売「ちょっとまって」、販売前の法律違反の確認はこれを見よう
[Daily Topics]米国の独禁法施行によってApp30%手数料問題に緩和の流れ、Crypto決済に光は当たるのか?
Discordでコミュニティ開きました
招待リンクはこちら(リンク切れしてたら教えてください)
■メルマガコミュニティに参加する特典
過去メルマガの検索、閲覧し放題です。こちらから⇒Daily Topics
のぶめい企画を一緒に考えよう、提案は大歓迎
メルマガに書ききれないCrypto関連のNews Feedを流します
執筆中の本の途中経過を公開します⇒[Daily Topics]のぶめいは本を書く
NFT紹介枠
NFT紹介枠を設置しています。頂いたNFTを優先で紹介していきつつ、都度流行りのNFTなども取り上げていきたいと思います。
今週は「CryptoButlers」です。結構すごいですよこれは!
CryptoButlersは、ImmutableX上のNFTプロジェクト/CC0ライセンスで公開中/Discordメンバー8000人到達、二次創作クリエイター80人+到達/1月15日 セール開始6分で555体完売
Twitter: https://twitter.com/CMaids002
販売ページ: https://cryptomaids.tokyo/ja_top
執事のNFTをIMXで作るという技術的にもかなり新しいプロジェクトになります。最初メイドコインの亜種かなと思ったのですが。どうも違うようで、かなり手が混んでいるのでぜひ見てみることをおすすめします!
NFT紹介枠は常に募集しています
NFT紹介枠をやってます。来週の枠も空いているのでここに載せてほしい方は以下リンクからご連絡ください。
過去掲載したNFT紹介枠のアーカイブ はこちらです。
今日のネタ枠
<aside> 💡 真面目な話ばかりでもつまらないので息抜きにネタ枠を用意しています。
</aside>
創太くんがスパーマンになってて草なのでネタ枠です。
ご連絡
電子マグロオークションは80万円で落札されました!!!
年始のマグロの初競りにあやかって、電子マグロNFTオークションを実施したのですが、最終落札価格が80万円で落札されました。初競りマグロが1,688万円だったので、惜しくも1,600万円足りずということで来年再チャレンジしたいと思います!
メタバース上で販売された初競りの電子マグロNFT、3000Maticで落札される(80万円相当)|銀座渡利のプレスリリース
Gitcoin Grant出してます
のぶめいはGitcoin Grantに2つプロジェクトを提出しています。
■ のぶめいのメルマガのGrant https://gitcoin.co/grants/3422/nobumei-newsletter
■ 広告枠のマーケットGrant https://gitcoin.co/grants/3614/kaleido-decentralized-ad
のぶめいラジオ始めました
このメルマガの内容を解説するラジオを始めました。テキストよりラジオのほうが情報に接しやすい方もいらっしゃるでしょう、ということでメルマガの内容をのぶがめいに説明する形でやっています。stand.fmってアプリでやってましたが、サービスがWeb2すぎるのでPodcastに変更しました。模索中です。
stand.fm:https://stand.fm/channels/616990bdafa93b18fc46b1cd
Podcast:https://anchor.fm/nobumei/episodes/2021NFT-e1c611j
Youtubeを見て音をスマホに聴かせればNFTを受け取れます
このYoutubeを見ればNFTを受け取れるよ!!
受け取り方:音響透かしNFTの受け取り方
寿司職⼈の技術をNFT化した「SUSHI TOP SHOT」 音を使って配布|銀座渡利のプレスリリース
先日、開催された音でNFTを配信する斬新な企画を汎用的なソリューションとすべく銀座渡利さんで企画・開発スタッフを募集しています。音でNFTを送ることができるのでYoutubeやライブなどの視聴行動を変えることなくユーザーのWalletに自然にNFTを配布することができます。
音声透かしNFTの仕組みや可能性については以前にも紹介しているのでこちらを見ていただき、興味のある方はTwitter DMにてご連絡ください。
[Daily Topics]音声透かし × トークンの活用方法
[Daily Topics]SUSHI TOP SHOT, 音で寿司を届けるイベントの新しさを解説
■ 求人枠
今はないです。誰かプロジェクトメンバー募集したい方いればご連絡ください。
相互リンク枠
■はるか先生の週間NFTニュース
@はるか先生が書いているこちらを読んでおけばNFT関連ニュースはカバーできるのでオススメ
最新の週はこちら:
過去アーカイブ含めた一覧はこちら:https://nftnews.jp/weekly-nft-news-list/
今日のニュース
BTC関連
【イラストで完全理解】ビットコインのライトニングネットワークとは
ひろゆきのBitcoin送金クソ問題の答えの一つ、ライトニングネットワークに関してはこちらが参考になります。
ビットコイン決済に27分かかるのは遅い?【そうかもだけど、これは革命です】 - Web3 JAPAN
27分は遅いのか?それは基準をずらせば簡単に覆る概念です。本質を見ましょう。
海底火山噴火でネットが使えなくなっていることで話題のトンガですが、Blockstream社の衛生ネットを駆使することでBitcoinの送金は生きており寄付が届いていることが確認されました。ネットが繋がらないのにBitcoinすごい、分散してるから生きてる!と界隈ではなっております。
コミュニティ主導の取り組みを支援しているのはビットコイン推進派のFusitu’a貴族代表議員。ビットコインと法定通貨建てで寄付を募っており、執筆時点では0.24BTC(120万円相当)と750ドル(約8万円)の募金額が記録されている。
Fusitu’a貴族議員によると、現地ではライフラインが繋がらない状況が続いており、現地への送金手段は従来の銀行送金が出来ないと言及。Blockstream社のSamson Mow CSO(最高戦略責任者)が2021年に同氏に寄贈したビットコイン衛星キットを活用することで、ビットコインでの送金のみが機能している状況だと述べた。
Ethereum関連
The Year in Ethereum 2021 — Mirror
Ethereumに関するレポートです。
dApps / NFT
「ビデオゲームとNFT」の現状がわからないので18年続くMMO『EVE Online』運営にメールで「ゲームはNFTでどう変わるの?」と聞いてみた
EveonlineにNFTでゲームはどう変わるのか?というAMAです。すべてのブロックチェーンゲームが参考にしていると言われるEVE OnlineがNFTをどう考えているのかを知ることができました。
バドワイザー 22人の新人音楽アーティストを起用したNFTをリリース
バドワイザーはNFTに明るいので株買っといたほうがいいと思う。
言語の壁を超えてNFTを広めていこー
楽天、「Rakuten NFT」初のコンテンツをアニメ『ULTRAMAN』のNFTに決定 | 楽天グループ株式会社
ウルトラマン!!
DAO
日本初エンタメDAO始動!堤幸彦×本広克行×佐藤祐市 by フィナンシェ|国光宏尚 (Hiro Kunimitsu)|note
国光さんがエンタメDAOですごい方々集めてDAO it始めてました。
その他
Web3のビジネスモデル6種類について解説されていました。
doublejump.tokyo、企業によるNFT事業及びWeb3領域への参入を滑らかにする複数人での秘密鍵管理サービス「N Suite」を先行リリース!
キター\(^o^)/これ使いたいー。
アーティストとNFTとWeb3.0、ってか2.5。|Miyamoto Hiroshi | 宮本浩志|note
最近、Web3に関する記事を書いていただける方が増えてきてとても嬉しく、あーそういう視点もあるかーと新しい記事が出るたびに勉強になっています。
オンラインのリタゲ広告をほぼ禁止にする新しいアメリカの法案が出登場
トークングラフマーケティングの時代来てるな
はい、本日は以上になります。
ここまで読んだら「いいね」押してくれてもいいと思う
Substackにはいいねとコメントの機能があるので、お手すきの際にお願いします!反応があるとシンプルにやる気が出ます。勉強中の友達に紹介してくれたりとかするととても嬉しいです。
また、匿名で質問とコメントが書けるページをそれぞれ用意したので、メルマガで書いて欲しいネタや疑問点があれば投げてみてください。コミュニティで聞いてくれてもいいよ!
メルマガコミュニティはこちら
よろしくおねがいします!^^