20210514のTopics
タイミングとしては少し遅いですが
Consensysが出していたDeFi・NFT関連のレポートが素晴らしくよくまとまっていたのでそちらを取り上げます。インフォグラフィックもかなりおしゃれなので実物を見てもらいたいです。
Overview
■DeFiの特徴
Code is Low DeFiアプリケーションは、スマートコントラクトとして展開され、アプリケーションのルール/ロジックは、企業や法的文書によって強制されるのではなく、コードとして記述されます。
Global and Permissionless インターネットに接続していれば、アルマティにいようがアンカレッジにいようが、誰でも利用・開発が可能です。
Open sourceなマネーレゴ 1つのDeFiのコントラクトは他のdAppsでも利用できる汎用性の高いものです。ほぼすべてのDeFiスマートコントラクトは公開されたオープンソースコードであり、強固な金融システムをレゴのように簡単に組み上げることができます。
最近は友達にお金を送ることを「Vennmoする」と言うようになってきたので、お金はすでにデジタル化されてきたように感じますが、DeFiでは誰もがお金をデジタル化しプログラム可能であり、イーサリアムのブロックチェーン上で検証可能な特徴を持っているので、お金のデジタル化をさらに進める可能性を持っています。
Ethereum上のDeFiの主な利点の1つは、金融活動が透明であり、リアルタイムで決済されることです。MetaMaskのようなウォレットを使えば、世界中の誰もがUniswapのような分散型取引所で資産を取引可能で世界中の有望なプロジェクトに投資可能になりました。
DeFiの用途はStableCoin、レンディング、予測市場、証拠金取引、支払い、保険、ゲーム、NFTなど、多岐に渡り2021年Q1で530億ドル市場に成長しています。
Ethereum上のDeFi経済圏
■定量的な成長データ
2021年1月1日〜4月1日の間に、ユニークなEthereumアドレスは約1.3億〜1.4億件となり、年初から12%増加
EthereumへのメインGatewayであるMetamask Walletの月間アクティブユーザー数が500万人突破
DeFiユーザーの増加は目覚ましく、2021年Q1では50%増加し、2020年第1四半期末からは10倍に増加しているが、Ethereumアドレス全体の約1%に過ぎない。
■Gasコストの高さが課題として顕在化
Ethereumネットワークのガス価格の中央値は、年初の約100Gweiから、3月31日時点では約150Gweiまで上昇しGasコストの高さが課題として顕在化している
Gas価格とETH自体の価格の上昇により、平均取引手数料は年初の5.4ドルからQ1末には22.9ドルとなり、約4.2倍に上昇
Ethereumの手数料はBTCの2倍、UniswapはBitcoinの半分の手数料を取っていたことがデータから判明している
DeFiを触っているユーザーはEthereumユーザーの1%しかいない
Stablecoin市場
Ethereum上でのStablecoinの総供給量は、1月1日〜3月31日で195億ドル〜374億ドルと、2倍近くに増加
Q1のDeFiの成長はStablecoinの供給量増加と対の存在になっており、この相関の高さはStablecoinが主要な交換媒体であり、DeFiにおいて、貸し出しによる利回り、流動性提供者(LP)としての投資収益、合成商品の担保として機能している
前年比で比べるとさらに劇的で供給量は、Q1対比の1年間で55億ドル〜374億ドルと、約7倍に増加の大躍進を遂げた
Ethereumは主要なdAppsのpayment機能を担うだけでなく、デジタルドルの経済圏のメイン基板となりつつある
Visaのような伝統的な金融サービス企業でさえ、Ethereum上のUSDCでの取引決済を許可しており、安定コインが伝統的な暗号のユースケースをはるかに超えていることを示している
Stablecoin市場は増加待ったなしな状態
Stablecoinの区分
個人的にはここに載っていないFei protocol[フェイ] を応援しています。ローンチのタイミングでは資金が集まりすぎてペグの仕組みがうまく機能せず、コントラクトにもバブが合ったために価格が1$を割ってしまう自体に押し込まれてしまい、「Failure」などと言われていますが、法定通貨担保型は中央集権的な組織を信用しなければならない弊害が残り、暗号通貨担保型のDAIのような仕組みは担保金額が大きく資金効率が悪い点が指摘されています。
FeiはそれらのStablecoinの欠点を補える可能性がある無担保型のStablecoinになっており、将来的にはFeiのような仕組みが発展していくのではないかと思っています。
DeFiのプレイヤー動向
■DEXの定量データ
ユーザー数増加したことで、DEXの取引量は、12月の月間取引量が3月には約250億ドル〜約630億ドルと2.5倍に増加
Uniswapの週間取引量は、1月第1週〜3月最終週で約50億ドル〜約78億ドルへと約1.6倍の増加
ライバルのSushiswapでは1月第1週〜3月最終週で約26億ドル〜約19億ドルへと約27%減少、頑張れShushi!
■レンディング市場
Q1の間にDeFiのローン残高は約36億ドルから108億ドルへと、3倍に増加
米ドル建て資産が借り入れ額も上昇しプロトコルの第4四半期の純借入額である約27.5億ドルから2.75倍に増加
Aaveも同様の成長し、Q1でAaveのローン残高は6億7000万ドルから約16億ドルに増加し、約2.4倍に
DPIは、Q1で約117ドル〜410ドルと3.5倍に上昇、同時期のBTC上昇率は2倍なのでDeFi経済圏がますます強固になっている
※DPIはDeFi関連の主要なデジタルアセット(AAVE、Synthetix、Uniswap、Yearn Finance、Compound、Maker、REN、Loopring、Kyber Network、Balancer)を追跡するINDEXトークン(DeFi版の投資信託みたいなもの)である
先述したとおり、Gas価格の高騰により、DeFiの開発者はより低いガス料金を利用するために、アプリケーションとユーザーをレイヤー2に移行させる動きが顕著であり、レイヤー2のTVLは、Q1で3840万ドル〜2億7340万ドルとから、7.1倍に増加している。プロジェクトの中にはLayer2に移行する方針を新たにWhitepaper2.0として発表するところも多くでてきており、この傾向が今年の残りの期間、続いていくと思われる。
この図、いいですよね。この右側のロゴをいくつ答えられるかでCrypto検定ができそうです。自分はまだ6-7個追えていないものがあります。
NFT市場の成長
NFTのコトバのGoogle検索ボリュームは、3月12日に過去最高を記録
昨年Q4のCryptoArtの総市場価値は5.2千ドルで、53,663点の作品であったのに対し、Q1は4.9億ドル過去30日以内に販売されたアート作品の総数は151,977点と急成長を遂げた
NFTが急成長した背景には、コロナウイルスの大流行により、アーティストの収益源となる活動の多くが消滅したことや、インターネットに費やす時間が記録的に長くなった、DeFiで余ったお金が流れたことなど、さまざまな要因が考えられる
現在、コロナによりアーティストの62%が失業している状況なので、NFT基盤が整いNFT開発をサポートするための技術的要件が揃いつつあることが今回のブームにつながった
対照的に、世界の伝統的なリアルアート市場の取引量は、パンデミックにより670億米ドル〜500.6億米ドルに減少
Q2のトレンド予測
■NFTに投資するDAO組織が誕生していく PoolTogetherの創設者であるLeighton Cusack氏のツイートが発端となり、"@pplpleasr1 "と名乗るアーティストによるUniswap V3発売の人気ティザー動画のNFTを入札するための「pleasrdao」という分散型自律組織(DAO)がほぼ一夜にして結成されました。LeightonはNFTをどうしても手に入れたいと思っていたのですが、入札に勝つためには友人たちに資金を集めてもらい、競り落とすしかないために取った手段です。このDAOは最終的に310ETHでNFTを落札し、さらに映画にもなったエドワード・スノーデンの最初のNFTを2,224.00ETH(現在の価格で550万ドル)で手に入れたのです。
どちらのNFTの収益も慈善団体に寄付されましたが、注目のNFTオークションをDAOが落札する仕組みは、トレンドになりそうです。Q2~Q3にかけてのBuzzワードは「DAO」や「Web3.0」になっていくのではないかと予想しています。
すでに既出のDAO型の組織としては以下のような事例が出てきており、希少なアートの所有権を分配する手段としてDAOは急速に普及していくでしょう。
資産価値の高いNFTを購入するために特別に結成されたFlamingoDAO、6,240ETHと大きな資金を保有
ゲーミングNFTに特化したDAOであるYield Guild Games(YGG)はDelphi DigitalやScalar CapitalなどのCrypto系VCから1.3Mを調達
Beepleの75億円のNFTを競り落としたMetakovanはBeepleのNFTをB.20というERC-20トークンとしてNFTを分割するサービスを使って売却を始めています
■Ethereumネットワークを席巻するFlash bot(フロントランニング問題) Flashbotとフロントランニングについてはこの記事がわかりやすいです
2021年Q1終了時点では大きな12のマイニングプールがイーサリアムネットワークのヘハッシュレートの58%以上を占めており、すべてのプールでフラッシュボットが使用されていました。Ethereumコミュニティでもこの問題についてはよく議論されていたように思います。Q3に予定されているEIP-1559のように、ガス料金を簡素化するイーサリアムのネットワークアップグレードが、これらの裁定取引や売買戦略にどのような影響を与えるかは、まだわかりませんが今後の動向に注目していきたいとのことです。
■その他のニュース
Notionのリンクが貼られているので若干ページ崩れや画像抜けがあります。ページ内の元リンク参照を推奨です。
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NFT解体新書・デジタルデータをNFTで販売するときのすべて も出されているのでやり方がかなり参考になりますね。脱帽です。
今日のネタ枠
真面目な話ばかりでもつまらないのでネタ枠も作りました。
毎週、追いかけているcoingeckoのランキングについにETHが上位にランクインしました!!日本の雰囲気コイナーもついにETHの可能性に気づいてくれたのでしょうか。来週のランクインも期待したいところです。